第94話【一部の界隈では神と崇められる人達】


『そう言えば、貴方も〝死天王志望〟ですか?――――』


 そう言いながら熱すぎる声援に呑み込まれ、男の方を振り返ろうとした影武者だが、そこに姿


 まるで、幻影の如く消えた男に懐かしさと疑問の残る影武者。


 それを他所に会場では、バトル物に良くある〝解説役〟が、腕を組ながら独りで語っていた。


『左にいるのは――――〝死死舞のパリシ〟様だぞ!!その洗練された舞いは、と言われている!!』


『その隣は――――〝竜蔦のベライザ〟嬢……以前は縦横無尽にしなる蔦を使い、〝M〟と呼ばれる奴隷達に囲まれ》》、一国を築いたと言う伝説の調教師!!』


『何て事だ!!――――かつて魔王様をも手を焼いた男……魔王軍の最高戦力と言っても過言ではない人物。〝覇将のペコリーノ〟閣下がいないだとっ!!!』


 しかし――――会場のボルテージが高すぎて誰も聞いていなかった。



【母上へ 次話は選別試験らしいよ!!】

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