〝我集憎虚憎虚力自慢大会編〝
第78話【女性は花を摘みに、男性は熊を狩りに行くらしいけど実際は……】
束の間の奇跡が起こり、こうして世界は平和となった――――
魔王となった影武者の物語はこれからも末永く後生に伝わるだろう。
そして、本当の魔王となって世界を導く日を夢見て……
魔王〝バカめそっちが本物だ!!〟その時から、私は本物になってしまった。
〝完〟
ここまでご覧下さりありがとうございました!!
泥んことかげ先生の次回作にどうか、首を長くしてご期待下さい!!
☆
セルフエンドロールを口ずさむ影武者。
その頃、現実はと言うと――――
尻餅をついて呆然とする影武者を、まるで汚物を見るような目で睨む二人の女性の姿がある。
そう……
130mm級の妃様は、立っていても尻餅をついている、4M級の影武者の視線より少しだけ低い。
『あらあなた、こんな所でブツブツ何言ってるの?フーちゃんも心配してたわよ?ねぇ、パパに会いたかったわよね?』
ユリシャ妃は見上げる様に娘のフレデシカに問う。
フレデシカは母譲りで正直者だ。
幼き故の純粋さ、それとなにより決定的なのは――――反抗期という事だ。
『別にしてないよ、フーちゃんは寂しくなんてないもん!!ママ上の嘘つき!』
頬を膨らませ、拗ねる娘(義理)は本当に可愛い……影武者は顔で笑い心で大号泣した――――心のダムが欠陥する程に。
(ハハハッ……子供の素直な発言程傷つく物はないな――――)
しかし、影武者生活を数百年している影武者界のプロフェッショナルに死角はない。
ここは必殺〝話を摩り替える〟を使用する。
『まぁ、会えて何よりだ。さぁて、次は何処に行こうか?』
気のせいか二人の姿がボヤけているが、きっと
娘が指を差して何かを言っている。
『あっパパ上!さっきママ上がアレやりたいって言ってたよ!』
巨大なテントに巨大な看板で何かが書かれている。
『ん?……アレとは??』
恥ずかしそうに妃様が娘の口を塞ごうとするが、端から見れば抱っこをせがむ娘みたいだ。
『こらっ!!フーちゃんったら、もうっ……恥ずかしいわよ……』
可愛らしく妃様の頭の向こうに看板が見える。
改めて凝視するとそれは、子ども連れの〝
〝
この時の影武者はまだ知らない。
経年劣化により薄く書かれている言葉に……※昨年の死者5名!!。
【母上へ 何だか楽しそうなイベントだね!!頑張れユリシャ妃!!】
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