嘘を重ねる事に何かを失い人は強くなってゆくんだ

〝憎虚憎虚〟【幽怨血編】堂々開幕！！

　楽しくも微笑ましい、ユリシャ妃と魔王様（ほんもの）の結婚200周年記念日は、死天王率いる有志と勇者一行（ろうじんかい）により、盛大なパーティーになった。

　勇者ゼルピトスの一撃（しゅくはい）により魔王（かげむしゃ）は、撃沈し記憶が曖昧だが、誰かが部屋まで運んでくれたらしい。

　だが――――可笑しいことに、ベッドが揺れている気がする……と言うか妙に騒がしい事に気付いた影武者は、思考の停止を無理矢理でも始動させると、眉間に皺を寄せながら辺りを見回した。

　老若男女、様々な年齢層がおり、混乱する頭に一筋の光（こえ）が差した。

『本日は～魔界超特急（まかいｴｸｽﾌﾟﾚｽ）〝憎虚憎虚（ニコニコ）-幽怨血（ゆうえんち）〟行きの往復便にご乗車いただき～誠にありがとうございます』

【ははうえへいま――――ヴォォォォォォオエェェェ……】

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