第47話 【ドンチャン騒ぎと疑問】

 数ある疑問は絶えなかったが、整理が出来ない頭をフル回転させ、この場を凌ぐことを優先した。


『パパ上~!!〝幽怨血〟は明日行こうね!!』

『この子ったら、気が早いんだからっ……フフフッ』


 娘や妻の声は緊張と会場の熱気で掻き消され 、苦し紛れにこう答えた。


『ゼルピトス殿も歳だからな……今日の所は、存分に呑み明かそうぞ!!』


 そう言って影武者は、手に持っていたグラスを勇者に渡し、高濃度アルコールの酒を注ぎ込む。


『おうっ!!そいつわありがたいな――――200回目の記念日と両国の和平に乾杯っ!!』


 互いにグラスを重ね合わせ、これまでの確執が嘘だった様に、仲良く会話を始める勇者ゼルピトスさえも、あざむく影武者は、昔話に得意の相槌を打ちながら、無理やり花を咲かせた――――そこまでが、最後の記憶だ。


【母上へ 初めてのアルコール20091にひゃくきねんび%で死にかけました】

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