第30【もう闇魔術に頼るしかないぞこれ】

 一先ず深呼吸をし【覇将ペコリーノ】の失態を許すことにした影武者は、バラバラになったひめさまをどうにか復活出来ないかと悩んでいると、天から舞い降りた様にアイディアが浮かんできた。

 必死に謝罪を繰り返しているペコリーノを脇に追いやると、残りの【死死舞のパリシ】、【竜蔦のベライザ】に蘇生そせいを頼むことにした。


 ①死死舞の奇妙かつ、見惚れるほどの舞踊により、サイコロステーキに似た十数はある細かな肉片が、宙へ浮き命を宿したように動き出す。


 ②竜蔦はそれを1つ1つ自慢の鞭で叩くとまるで、パズルがピッタリとまるように空中で合わさっていく。


 ③ここで姫様の原型が出来上がりつつあるので、替えの白布をかけると「ぐちゃぐちゃ」と生々しい音を聞きながら完成を待つこと15分が経過した。


 ④音が止み布を捲ると、そこには可愛らしい寝息をたてている美しい姫がそこにはいた。


「ホッ」と胸を撫で下ろし後ろを振り向くと、柄に手を添えているペコリーノが眼光鋭くこちらをみている。


(頼むから切らないでね?切ったら首だよ?)


【魔界ネット検索 履歴 覇将の息臭い、魔剣の折り方、毒殺の方法】


【(急募)魔界城で働きませんか?】

【要面接有、死天王候補募集中】


(説明)和気あいあいとした職場です!分からないことがありましたら先輩方が優しく指導します。


(賞与)年50回+歩合制+戦での功績+各種手当て


(行事)年2回社員旅行有



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る