第29話【人間界でも混ぜるな危険ってあるじゃろ?今それだから】(2)


【謁見の間】


 白布に包まれる凶悪な魔物姫様を復活させるため、魔王様ほんものに絶対的な忠誠心を誓う三獣士達は持てる力を使い蘇生を試みる事になった。


「解っているとおもうが、中身は見るでないぞ?とても狂暴かつ伝説の魔物だ。お主達程の実力者と言えども、眼を合わせればたちまち灰となるだろう……」


 三人は小さく頷くと互いを見やり、順番に得意の魔法を繰りだす。


 ①死死舞の奇妙なダンスにより、息を吹き返すと【せい】を実感するように魔物姫様は元気に動き出す。

(死とは生の正反対であり、また、紙一重に等しい存在である)


 ②竜蔦の華麗かれい鞭捌むちさばきで本来の力女子力を取り戻すと、一枚隔てた布越しでも分かるほどにまばゆい輝きを放つ。(刺激を与えることにより、生前とは比べられないほどの力をたずさえ復活を果たす)


 ③覇将のもはや神業と呼ぶべき音速の剣は、誰もその剣筋を捉えることなく、対象もその行為に気付かず、只【斬られた】と言う事実がそこには残っていた。(対象姫様は数秒程動くと人影も残らないほどバラバラとなり、飛び散る白い羽毛に混じって血の赤が宙を舞っていた。)


 影武者は悟った。

 あれ……覇将以外の技で、魔王様と混沌の二人甦らせたんじゃね?……と。



【魔界ネット検索 履歴 覇将許すまじ、覇将嫌い、覇将悪口、覇将クビ、駄目な部下の切り捨てかた、冠婚葬祭】

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