第26話【頼れる三獣士は魔界の星】

 我は魔界で選ばれた者にしか座れぬ玉座に今……というか、また座っている。

 眼前には、「余興よきょう」にも似た奇妙な事を我らが、軍将ぐんしょうたる死天王もとい三獣士が揃いも揃って、【パーティーの予行お姫様復活キラキラ練習大作戦】を|繰り広げているのをただ祈るように眺めている。


【竜蔦のベライザ】


「我が忠実なる眷属けんぞく達よ……いまその力を解き放て!!」


 高級な床がめくり上がりそこに現れたのは、魔界に生息する植物で造られた等身大130%の王妃像だった。


(実物と違うのは、頭に生えている綺麗なお花のせいもあってか、身長が170cmもあるぞ……そこで媚びを売るな)


【覇将ペコリーノ】


「我が剣は、聖なる光よりも速くそして想像を創造に変える力を持つ!!」


 魔界の岩石で出来た巨大な岩は、閃光の様な剣筋により岩だったものは、みるみる小さくなると可愛らしいフレデシカの出来上がりだ。


(それ、パクっちゃいけないやつだよ?わかってる君?)



【死死舞のパリシ】


死死死死我らが魔王様の死死死死死死ためならばこの身体死死死死死死死死灰になろうとも死死死死ただ主に捧げるのみ!!」


 そこに現れたのは、魔界に生息するとされる伝説の馬【炎獄骸馬ブレイズホース】に格好良く跨がっていて、美化されすぎた魔王様の姿がそこにはあったが。

 1つ大きく違うのは、手のひらサイズということだ。


(絶対物騒な呪文だけど、繊細な魔力調整に影武者ながら感動したよ……)


【三獣士の協力のおかげで家族三人の銅像が出来上がった!!】


 魔王様影武者の拍手が響き渡り、嬉しさを隠せず三人共に「ハイタッチ」をしたり変な雄叫びを上げながら、嬉しそうに騒いでいた。


【母上へ 持つべきものは部下だね】

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