第25話【娘よ走れ、風のように!!】


「フレデシカ……いや、我が本物の娘よ。1つ頼みをしてよいか?」


 4Mもある身長をこれでもかと言うほど、小さく折り畳み娘の目線まで無理矢理合わそうとするがどうしても無理なことに気づいた。


「ん?どうしたのパパ上?」と言いながら、祝箱プレゼントを貰えると思ったのか終始ご機嫌な娘は、小さな体のせいもあってか上目遣いで我を覗いている


「まだまだお前に渡したいものがある、1人では到底持てない量だ。だから死天王……いや三獣士に【謁見えっけん】へ来るように言伝を頼みたいのだがよいか?くれぐれも?」


「うん!!パパ上のためならフーちゃんなんでもする!!」と元気良く手をあげる娘の小さなビー玉の様なまなこに映るのは、パパ上魔王様ではなく祝箱プレゼントな気がしたが、そこはスルーすることにしよう。悲しくなるからな。


 小さな体は、風のように走り去るとそこには1人影武者1体死体が廊下へと取り残された。


謁見えっけん


(いくら人の女子とはいえ長時間担ぐのは、さすがに骨が折れるな……)

 梱包されたお姫様御遺体を見ながら、内心疲れ果てていた。


【母上へ 子どもの考えはお天気のようだね】



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