書いた時はノリノリでした

コンクリートで塗装された土手。

その中央に私は立つ。

さあ走ろう。

この季節だけは一人ぼっちじゃない。

薄暮のなか風が駆けた。

ススキが波のように、ひょろひょろと順番に頭を下げる。

走り抜けろ、この金色と一緒に。





「――これ、キミシマくんが書いたの? きっと深い意味があるのね。えーとつまり……」



「ごめんなさい。本当に勘弁してください。ああ、じっくり読まないで!」


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