小さな違和感
ワシントン州 ハリソン夫妻の自宅 二〇一五年八月八日 午後四時三〇分
そんなモヤモヤとした気持ちを抱きながらも、手を洗い終えたフローラは台所へ向かい夕食の支度を始める。フローラは普段早くても午後五時過ぎに帰宅することが多いため、今日はゆっくりと夕食の支度が出来る。
何を作ろうか考えながら冷蔵庫の野菜室を開けるフローラ。何気なく野菜室を開けたフローラだったが、そこである違和感を覚える。
『あら? 野菜室に袋詰めしていたはずだったと思うけど、リンゴとイチゴの数が思ったより少ないわね。せっかくジャムを作ろうと思ったのだけど――もしかしてケビンもしくは香澄たちの誰かが、夜食にフルーツを食べたのかしら?』
少し不思議に思ったフローラは、リビングで世間話をしていた香澄たちへそのことを確認してみる。だがその場にいた香澄たちは全員、“知りません”と口を揃えるばかり。
『……もしかしたら、私の気のせいかもしれないわね。まぁ、いいわ』
首をかしげるもののすぐに気持ちを切り替えて、夕食の準備に取り掛かるフローラだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます