読まれない、失敗した、続きが書けない…もう作品を消したいあなたに「ヤメテ!!!!」と言うだけのエッセイ

 ヤメテ!!!!


 消サナイデクダサイ!!!!


 オネガイ!!!!


 消すなら電子書籍出してください。買わせていただきますから。


 初めまして、こんにちは。昔大好きだったWeb作家さんがある日突然失踪してしまったという悲しい過去を持つ長埜恵です。

 いや、笑い事じゃないんですよ。ファンからすると、ある日突然フラッといなくなる作者さんとその方の文が一生読めなくなることほど辛いものは無い。本当に辛い。


 そんなわけで、今回の私はその消えてしまった作者さんへの届かぬラブレターを書こうと思います。多分これ、同じことを思ってる人があなたの作品にもいらっしゃいます。いるんですよ。マジで。既にご存知かもしれませんが。

 なので、このエッセイ(?)を読もうとされる奇特な方は、「ハハッ、コイツ遠回しに俺のこと愛してやがるぜ……」と思ってください。


 今回の私はあなたのファンの代弁者だぜ!!!! いくぜ!!!! フゥッ!!!!




1.私の人生を変えやがってチクショウ


 あなたの書かれる小説が、全て大好きです。

 確かにあなたは、「大人気小説!!」と銘打たれるような小説を書かれる方ではなかったかもしれない。派手な展開も、流行りの要素も、全く取り入れていなかったかもしれない。

 けれど美しい文体、独特の世界観、静かで少し狂ったキャラクター達……。

 まるで一枚の絵画のように丁寧に紡がれるその世界に、当時の私は言えば周りに引かれるほどにドハマりしました。

 感想を送ったのは初めてです。未だにあなた様からいただいたご返信内容は一字一句覚えています。キャラをモチーフにしたグッズが欲しいと思ったのは初めてです。あなたがアルバイトで家庭教師をされていると聞いて、心が捩れそうなほどに生徒になりたいと思いました。

 そしてあなたの存在は、私の現実生活にすら滅茶苦茶影響を与えました。

 もう、現実世界でキャラクターに会いたくて会いたくて仕方ない。辛い時も「あのキャラならこんなこと気にしないよな……」と乗り越えました。最高すぎる。何なら今私が書いてる小説も、大いにそのキャラに影響を受けています。

 あと、猛烈に性癖が歪みました。


 まさに、人生をごそっと変えられたんですよ。


 どうしてくれるんですか。


 Webの向こうにいる作家さんで良かった。目の前にいらしたら「責任取って!!!!」と往来で悲鳴を上げていたかもしれない。ほんと危なかった。

 とにかく、それほどまでに私はハマり倒しました。




2.お消えになってしまってチクショウ


 でも、ある日あなたは突然消えてしまいました。


 とはいっても、私は無料で読ませていただいている身です。決して文句を言える立場ではない。言ってはならない。もちろん、あなた様を責めるつもりも毛頭ございません。

 けれど、どうしようもなく心に穴が空いたのも事実でした。私の力では、今後一生どうあってもその方の作品を読むことができない。


 これが、当時の私にとってどれほどの大事件だったか。


 この世の中、自分の好きだと思えることがどれだけあるでしょうか。その奇跡的に巡り合えた数少ない“好き”が、ある日突然消えたのです。

 プリントしておけば良かった。しかし当時いたいけでアホな中学生だった私には、そんな知恵は到底思い浮かばず。永遠にそこにあると思ってたんですよ、小説が。

 そうして私の脳にあるだけのあなた様の小説を読み返し、未だに囚われ、未だに恋い慕っているのです。




3.筆を折った理由だけでも教えてくださいチクショウ


 せめて……せめて消える前に、筆を折る理由を教えてください……!

 わがままかと思いますが、突然いなくならないで……! せめて、せめて別れのご挨拶だけでも……!!


 私生活が忙しくなったのかもしれません。

 書くことに飽きてしまったのかもしれません。

 それなら仕方ない。その方の意思ですから。べそっべそに泣きながら諦めます。


 でも、もしそうじゃなかったら。


 もし、誹謗中傷に耐えかねたのだとしたら。


 私は其奴に火の七日間(ナ◯シカで巨◯兵が大暴れしたやつ)を敢行する気でいます。そりゃそうですよ、エデンを破壊された天使(※私のこと)の怒りはもう凄まじいもんですよ。しかも何が腹立つって、その誹謗中傷したヤツは作者さんが筆を折っても平気で饅頭とか食ってんですよ。腹立ちません? こちとらショックで米粒も食べられないのに。そいつ毎日美味しく饅頭食べてんですよ。腹立ちません?

 私は火の七日間を敢行します。

 決して許してはならない。


 もし、読まれなくて心が折れたのなら。


 読んでますよー!!!! 読んでます!!!! 読んでます!!!!

 だから!!!! 残して!!!! 残してください!!!! こちとら好きなフレーズなら今でも一字一句言えるレベルで読み込んでいましたが、それでもやはり原作小説はもう聖地なんですよ!!!!

 巡礼させて!!!! これからも!!!! あなた様の小説という名の聖地を巡礼をさせてください!!!!

 もしかしてこの世に私しか読者がいなかったとかですか? それは確かにそれは書き続けることは酷かもしれまさんが、私本当にあなた様の小説なら何でも読むんですよ。読みます。なので、交換日記という形で、どうか……! ……だめか……! 相手私だし、なんだよ交換日記って……!


 もし、題材を失敗してこれ以上書けないと判断されたのだとしたら。


 お願いします!!!! もうどんな展開でも受け入れますので、どうかどうか私を結末まで導いてください!!!!

 読んでます。本当に読んでます。あなたの生み出したキャラクターがちゃんと幸せを掴めるのか、知りたいです。本当……お願いします……!!

 だからどうか、投げ出しちゃわないで……! あなた様の生み出されたキャラ、私の愛したキャラを、あなた様が嫌いにならないで……! お願いします……!!


 あなた様の小説が、本当に本当に好きなんです……!!!!






 はい、私からのラブレターは以上です。読み返してみればいつも以上に狂気に染まっておりますね。まあ最近暑いですしね、脳もやられるってもんです。はー、狂気狂気。


 ええ、何度だって言いますが、作者が趣味でやっている小説は、決して読者のものじゃない。作者のものです。続けるのも筆を折るのも、消すのも自由。読者にできることは、応援しまくって作者さんが書き続けてくださるようひたすらに祈ることだけ。


 けれどそれはそれとして、やっぱりいなくなられると辛いーーーーー!!!!!!!!


 辛いです。はい。


 でも小説を書く側になった今、すべての小説を消したくなる気持ちも分かるようになりました。私も何度だって筆を折りたくなりましたし、何度だって逃亡をはかろうとしました。

 実際、星が入らなさすぎる現状に耐えきれなくなって先日ちょろっと失踪してたんですよ。もうびっくりです。ラブコメ書けない人間ってこの世にいたんですね(自己紹介)。

 それでも、失踪から戻ってきて読んでくださった方ーー!! ハートを送ってくださった方ーー!! ご住所教えてくださいあなた様どこ住みですかお中元は洗剤でいいですか!? 大好きです!!!! 本当にありがとうございます。



 多分小説を書かれる方全員に言えることだと思うのですが、みんな時間をかけて生み出した自分の小説を愛してるんですよ。それを他の人にも愛して欲しいって思うのは、当然の感情であり、傲慢であり、でもそれもまた一つの自作品に対する愛の形だと思うんです。

 その小説がウケず、読まれず、否定されるのって本当にめちゃくちゃしんどくて。求められないならいいやとやめてしまったり、いっそ自分だけの宝箱にしまってしまいたくなるのも道理ってもんです。


 それでも、私はあなたの小説に出会ってしまった。愛してしまった。なら、あなた様が許してくださる限り、私は読んで愛し続けたいのです。

 そしてもし自分にも、かつての私のような読者の方がいらっしゃるなら。その方がいらっしゃる限り、踏ん張って愛を吐いていけたらと思っているのです。


 まあ、ちょっと失踪しかけましたが。


 なので、どうかあなたは作品を消さないでください!!!!

 消すなら!!!! せめて!!!! 電子書籍へ!!!!


 以上、単なるヤベェファンからの懇願でした!!!! お読みいただきありがとうございました!!!!

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