第28話 誓うよ
僕の目の前でユリカちゃんが号泣している。
その姿はまるで幼い子どもだった。
僕は無意識にしていたと思う。
気がついたら、僕はユリカちゃんの左手を両手で包み込むように握っていた。
「よく話してくれたね。」
僕がそう言うと、ユリカちゃんはコクンコクンと頷き、涙でべちょべちょの顔をこちらに向けた。
それでも彼女は美しかった。
僕は言った。
強く伝えたかった。
「ユリカちゃんの悲しみは僕の悲しみです。
ユリカちゃんの怒りは僕の怒りです。
僕は誓います。
あなたに寂しい思いはさせない。
あなたの幸せは私の幸せです。」
すると彼女は泣き濡れた顔で笑った。
形の良い眉を八の字にして笑った。
僕の鼻からは何故か鼻水が流れていた。
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