第27話 またしても酔う
私はヤケになって日本酒を何杯も飲んだ。
サワラの柚なんちゃらとか、なんちゃらのすまし汁とか、色々運ばれてきたが味なんて覚えていない。
私はとにかく喋りながら日本酒を飲んでいた。
「渡くんはー、私の執事でもあるわけじゃない?どうよ?あの男?あんなんが私の親父なんだよ?ちょいっと文句の1つでも伝えてきてくれないかね、、、って、そんなん無理か。」
彼は困った顔をしている。
でも私のマシンガントークは止まらない。
「あいつはー、金さえ渡せばいいと思ってんだよ!!昔っからよ?
一緒に遊園地行こうって約束しても守れないわけね。普通は別の日に変更したりするじゃない!?あいつは違うの。
好きなもの買ってあげるから機嫌直してーって言うの。バカみたいでしょ?」
私はこの時にはもう、泣きながら話していたと思う。
私は続けた。
「ママが病気になった時だって、、、ホテルみたいな豪華な個室に入院させて、お手伝いさんもつけて、、、。
でも忙しいのを理由に、めったにお見舞いに来なかっ、、、。」
私は完全に泣いていた。
渡さんは、心配そうな表情を浮かべ、黙って私の話を聞いてくれている。
私は言った。
「ママ、死んだ時、、、パパいなかったの。」
それを言い終えると、もう我慢出来なくなった。
『えーん』と子どもみたいに声に出して泣いていた。
きっと私の顔は涙で化粧が流れ落ち、酷いことになっているかもしれない。
そんなこと、お構いなしに私は泣いた。
子どもみたいに。
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