第20話 兼務

 僕は告白直後にハッとした。


果たしてYURIKAちゃんは「執事」というワードを覚えているだろうか、、、。


もしも言った記憶がなかったとしたら、、、。


僕は単なる「ヤバい人」と思われるのではないだろうか。


ああ!!どうしよう!!


僕は神に祈った。


どうか、どうか、、、引かれてませんように!!

付き合えないとしても仕方がない。

しかしYURIKAちゃんに嫌われたくない!!


そして、ついにYURIKAちゃんが口を開いた。


「はい。宜しくお願いします。」


うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!


おめでとう、自分!!

ついに夢でも叶わなかった両思いになれた!?


彼女は言った。


「、、、でも。」


え?でも?

僕の胸に不安が広がる。


しかし彼女はこう言った。


「執事兼、恋人じゃないと嫌です。」


僕は今、人生で自己最高な幸せが現実の事かどうか疑っている。

もしも、夢なら覚めてほしくない!!


僕は言った。


「夢のように幸せです!!

僕は執事として、また恋人として、あなたを全力でお守り致します!!

どうか、宜しくお願い致します!!」


百合華ちゃんが女神のように微笑んで頷いた。


丁度、彼女のコーヒーを運んできたウェイターも微笑んでいる。



こうして僕は百合華ちゃんの『兼業彼氏』になることができた。

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