第7話 どっちの好き?

 今、私の目の前ではマネージャーのミカさんと、カメクラ食品広報部長の池見さんがいちゃついている。


もう、、、なんなら抜け出してくれてもよい。


ミカさんはモテる。

ミカさんは柔らかい雰囲気で話し方も穏やかで30歳という年齢の割に若く見えるのだ。


私の隣にはカメクラ食品の社長さんが顔を真っ赤にして、ひたすらワインを飲んでいる。


この人、、、大丈夫だろうか。

なんか、ほっとけない感じ、、、。


「社長さん、お顔が真っ赤ですけど大丈夫ですか?」


私が訪ねると社長さんは何故か瞳をうるうるさせて言った。


「だ、大丈夫も何も有頂天とはまさにこのこと!え、ぇーと、はっきり言ぃますよ?

ぼ、僕はYURIKAさんが、、、。

YURIKAしゃんが大しゅきでしゅっ!!」


一気に場が静まり返る。

誰も何も言わない。


私はどう反応したらよいか戸惑っていた。


好きって?ファンとして?


それとも、、、。


しかし社長さん、『しゅき』って可愛いですよ。

ズルイ、、、ときめいちゃうじゃない。


きっと今、私の顔も真っ赤だと思う。

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