第6話 僕は夢を見ているのだろうか

 「はーい、本番いきまーす。」


監督の声で僕は我に帰る。


ああ、先ほどから僕の目の前にはYURIKAちゃんがいるのだ。

昨晩は興奮して、ほとんど眠れなかった。


YURIKAちゃんが笑ってる。

YURIKAちゃんが唇を舐めている。


もしかしたら夢かもしれない、、、。

こんな目の前でYURIKA様が、、、。


「今日もユリカはツルリとキレイ?」


ああ!!綺麗です!!

うちのゼリーなんて食べなくても綺麗です!!


YURIKA様!!

僕は、僕は、、、。


「はいっ!!オッケーです!!

お疲れ様でしたー!!」


再び監督の声でハッと我に帰る。


隣で広報部長の池見君が何やら僕に話しかけている。


「ふぁ!?な、な、すまない、、、何か言ったかい?」


「はい。今日の打ち上げの店の板前さんがインフルエンザになってしまったそうで、急遽イタリアンレストランを貸し切りで予約しました。」


「ふぇ!?インフル!?」


そうだ、そうだった!!

この後、打ち上げがあるんだ!!


YURIKA様とお食事出来るってことか!?


ああ、そういうことだよ!!


ああ、僕は、僕は、、、。


「社長?顔が真っ赤ですけど、まさかインフルエンザじゃないですよね?」


池見君が何か喋っているけど聞こえないのはなぜだろう、、、。


僕は完全にのぼせていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る