第109話 綺麗な魔法なんか大っ嫌ぃ!



 ガラガラと崩れ落ちる魔法協会のビル。せっかくみこが壊さなかった街並みは、飛び散るビルの破片で結構酷い感じに荒れ果てる。。。その犯人の強大な何かピカピカモグラさんは、掘り出した地下室みこバリアをそっと地面に降ろすと、



「酷いわね。。。」



 辺りを見渡してそう一言呟いた。

 。。。えっとね、この惨状コレはね?みこじゃ無くて、お姉モグラさんの所為なんだけど。。。みこは眩しさピカピカに隠された真実を教えてあげるか、ちょっとだけ迷った。



「ねぇ、貴女のその力。一体どれほどの人間を殺したの?」


「。。。人、間?」



 数えた事なんか無い。。。

 だってそうでしょ?お姉さんは、一々捨てたの数を憶えてる?それと同じだよ、きっと。。。



「魔法少女も怪人も、皆貴女と同じ人間なのよ。。。?」



 。。。そんなのみこだって知ってるもん!だけど、だけどみこは。



「。。。いえ、ごめんなさい。私も他人のことをどうこう言える様な、善い魔法少女じゃ無かったわ。

 ね、この障壁を張ったのって貴女でしょ?解いてくれないかしら、この中で眠ってるの私のお友達なの」


「。。。イヤって、言ったら?」


「殺すわ。最初に断っておくけど私、闘う時はいつも全力だから手加減なんか出来ないから。だけどこの障壁を解いて此処から大人しく立ち去るのなら、見逃してあげる。。。私と貴女、多分強さは同じくらいだと思うけどダメかしら?

 私ね、今日はどうしても早く帰らないといけないの。だからね、大人しく退いてくれるとスゴく助かるんだけど?」



 相変わらず姿の見えないピカピカが眩しい魔法少女モグラさんは、魔法の弓をみこに構えながらそう言ぅ。。。みこはね、もぅ魔法少女の戯言ことばなんか信じたりしなぃょ?だって魔法少女はね、皆嘘吐き。だから。。。



「ぅん、ぅぅん?」



 みこは障壁バリアは解かずに、お姉さん達にかけた眠りの魔法だけを解く。そしてお姉さん達を囲う障壁バリアには、殺意魔力を込めた。。。

 それは中の二人を殺す為の、強い魔力ちから。。。みこ以外には絶対止められない、とても強い殺意ちからを。



「。。。ぅん、も。も!!?ア、アカン!違う!ダメーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」



 みこの殺意を信じた感じた眩しい魔法少女ピカピカモグラさんは、障壁の爆発を止めるため



『聖なる紅の一撃(クリムゾン・バスターーー)!』



 キラキラと、とても綺麗な紅色の魔法の矢をみこへと放つ。

 真っ直ぐ一直線にみこのお胸目掛けるその魔法は、本当に容赦が無くて、あり得ない笑っちゃうくらい高威力で。そして、防ぐのを忘れちゃうくらい綺麗な魔法。。。。。みこの黒々とは正反対の、温かくて優しい煌紅色の聖なる魔法。。。



(バリン!)



 て、大きな音がした。。。

 煌紅色の魔法の矢に撃ち抜かれてポッカリなみこのお胸は、不思議と全然痛くは無ぃ。多分、威力があり過ぎた所為?なのかな、よくわかんないけど本当に全然痛くは無ぃょ?

 そして地面目掛けて真っ逆さまに落ちていたみこは、頼んでも無いのに眼鏡ッ娘お姉さんの魔法に抱っこされる。。。



「。。。雪乃?何、言ってるの」



 。。。落ちながら、やっと姿が見えたピカピカだった魔法少女。初めて実際に見たその姿は、可愛くて、綺麗で、想ってた通り♪とてもキラキラと輝いていた。。。。。








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