第99話 本物なんか大っ嫌ぃ!



 ピキピキと凍りつき、落ちて逝く紫色コバエ。。。眼鏡先輩、そう呟き涙しながら死に逝く落っこちる姿を、みこは別に可哀想とは思わない。


 。。。献身ガンバった、そんなのはただの独り善がり自己満足


 尽くしてた自分に上から目線で、ただ酔っているだけ。。。紫色コバエが本当に眼鏡ッ娘お姉さんの事が大好きだったのなら、お姉さんはみこの所に来るべきでは無かった。他の全部ナニを無視してでも、ただお姉さんの事だけを考えてれば側に寄り添ってれば良かった。。。




背後せなかがお留守だよ?♪ロリッ娘」


「。。。別に」




 紫色コバエ見送る見下ろすみこの頭に向け、漸く背後から突き出されたをみこは躱わす。。。認識阻害気に入らない




「ハハ♪流石は生意気なロリッ娘だ。見えてもいないボクのを、ただ首をちょっと傾けるだけで躱してしまうなんて、流石にお姉さんもビックリだよ♪」


「。。。」




 ビックリ?嘘吐き。みこの背後にやっと現れたのは、しい紫色の魔法少女お姉さん。。。これまでの紫色コバエ達とは何か違う、妙に笑顔がキモいゴキゲンな紫色ハエ




「一応初めまして、と言っておこうかなロリッ娘ちゃん♪

 ボクは、スミレ1ファーストさかしいキミのことだから、コレだけ言えば理解は出来たよね?」


「。。。」


「もぉ、まぁ~た無視?。。。ハァ。

 ボクさ、キミの事最初に観た時から嫌いなんだけどさ、こうやってに見るとキミのことが大嫌いなんだって改めて実感出来たよ、ヒヒ♪」


(ガキン!!!)




 と鍔を競り合うみたいに、紫色ハエ魔法少女親玉はわざとズイッとお顔をみこに近付ける。ニタニタと何が可笑しいのか気持ち悪いその笑顔が、マジでキモい。。。




「やっぱり姉妹だね♪こうして間近で見るとさ、キミ本当に良く似てるよ。。。ずっと目障りだった、あの桃センパイお邪魔虫にさ!!!」


「。。。お邪魔、虫?」


「アレレ♪もしかして怒った?」


「一体誰が、お邪魔虫、なの?」


「誰って、そんなのキミの大好きな桃センパイに決まってるじゃないか♪」


「みこのお姉ちゃんはお邪魔虫なんかじゃない!!!!!」


「ヒヒ、コレだからシスコンは♪」


「ウルサイ!死ね!!!」




 みこはこの紫色ハエのことが見えていたワケじゃない。何重にも貼られた認識阻害や隠遁陰キャ魔法。それがあってもただ何となく、ずっと誰かに見られている様な気配キモさを感じていただけ。。。


 それにさっき殺した紫色コバエが、先輩。。。と涙を流し最期に怨めしく睨んでいたのは、みこの背後の空だった。


 みこの予想通り、其処にこの紫色ハエは居た。自分の分身が死んで逝く姿を薄ら笑い、自分は認識阻害にコソコソしながら、ニタニタと。みこはそれが気に入らない。。。他人が魔法で作った分身お人形なんて、生き物ですら無いのに。あの紫色の魔法少女奴隷人形が最期に見せた涙に偽ていたあの雫。。。みこは何故だかそれが、スゴく気に入らない!!!




「でも安心したよ♪ボクはコレでも他のお人形スミレ達とは違って、度量お胸は大きいんだ。

 だからもしもキミが、僅かなりにでも桃センパイより眼鏡ッ娘先輩を好いていると言うならば、このまま恋のライバルとして三角関係も厭わない。そんな覚悟を決めていたのさ♪」


「ウルサイ死ね!!!」




 思っても無いことをベラベラニタニタとほざく紫色ハエムカつく嫌い。。。




「ヒヒヒヒ♪ロリッ娘ちゃん?まさかとは思うけど、このボクがこれまでのお人形スミレと同程度の強さレベルだなんて勘違いはして無いよね?♪」


「知らない死ね!!!」




 煽る様にキンキンブンブンと、目の前をチラつく紫色ハエムカつく嫌い!!!




「ヒヒ♪さぁ使いなよ、キミのその穢らわしい闇の力をさ!!!」


「死ね死ね死ね!!!」


「ヒヒヒヒヒヒ♪生意気なのは口だけなのかな?オラ!ボクに傷の一つでも付けてみろやクソロリ!!!!!」




 紫色ハエのクセに、紫色ハエのクセに。。。クセにクセにクセにクセにムカつく嫌いブチ殺す大っ嫌い!!!






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