第84話 お姉ちゃんのお胸なんか大っ嫌ぃ!



「。。。みぃちゃん、本当にどうしたの?お姉ちゃん、みぃちゃんが何をそんなに怒ってるのか全然分からないょ。お願いみぃちゃん、お姉ちゃんにも分かる様に教え」


「。。。セに。私のことなんか、本当は何にも知らないクセに!お姉ちゃんなんか嫌い!大っ嫌い!!!」


「みぃちゃん辞めて!」




 黒い魔力を込めたみこの攻撃は、空を斬る。地面を割り、空間を削る。けれど、みこに辞めて!とお願いし続ける全然本気じゃ無いお姉ちゃんにみこの伸ばすお手々は、届かない。。。スーパーみこパンチは当たらない。




「ウゥゥゥゥゥ。。。」




 精細を欠いてるのなんて解ってるどうして。。。どうしてなの。。。?


 だってみこは、このお姉ちゃんを本当は知らない。。。


 ズキン!ズキン!!ズキン!!!って、みこの記憶を駆け巡るパラパラするあのお姉ちゃんも、眼鏡のこのお姉さんも、可愛いあんな妹も、狐面のこんなお姉さんも、全部全部全部知らない。。。知らないったら知らない!思い出したく無い知りたくもない!!!!!



「みぃちゃん?もう辞めよ?こんなの私の知ってるみぃちゃんじゃ、無いょ。。。。。ね、お願い?」


「ウァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


「ミカ!お願い、話を聞いて!」


「。。。私は、私はミカなんかじゃ無い!!!」



(ミシミシミシミシ!!!)



 と聞こえた変な音。。。

 同時に感じた優しい温もり気持ち悪い感触が、みこの大振りな一撃スーパーみこパンチがお姉ちゃんのお胸に届いたことを教えてくれた。



「ガハッ。。。。。大、丈夫。。。ね?いい子」


「お姉ちゃん!?」




 スーパーみこパンチをモロに受け本当は余裕で避けられるクセに!!!、膝から崩れる様に倒れながらも、お姉ちゃんはまだウルサイ戯言優しい妄想ほざいている!

 。。。みこのお姉ちゃんじゃ無いクセに、本当にみこを心配しているみこをギュッってするみたいに、このお姉ちゃんは死にかけて損っている。




「。。。ハハ、ハハハハハ♪バッカじゃ無いの?何自分から当たってるの?死にたいの?」


「お姉ちゃんはもう。。。みぃちゃんを喪くしたく、無いから。。。お願い。

 もう何処にも行かないでもうお姉ちゃんを独りにしないで。。。?」


「クッ!!!!!」




 みこは忘れていた感情抑えきれない衝動に任せて、死に損ないのお姉ちゃんを押し倒す。。。押し倒して魔法のドレスを引き裂き、黒く侵食の始まった腐り始めたお姉ちゃんのお胸に貪りつく。




「アァァァァァァ!!!」




 痛いのかなんて知らない!苦しいのかも知らない!みこの舌がお姉ちゃんを舐める度、みこのお口がお姉ちゃんに吸い付く度、悲鳴を喘ぎビクン!と仰け反るお姉ちゃんなんて知らない!知らない知らない知らない!!!!!


 。。。もう、お姉ちゃんのちょっぴり物足りないお胸を吸い尽くしてもみこの心は満たされない。ピトッて暖かなお姉ちゃんのお胸に頬を寄せても、もう全然みこは。。。みこは。




「。。。みぃ、ちゃん。行か、ない。。。で」




 魔力を吸い貪り尽くされた快楽と絶頂の最中、朦朧としていながらもなお姉ちゃんは私に優しい眼差し気持ち悪い妄想を向けていた。。。


 もぅ遅ぃょ。。。今更みこを、みこだけを見てくれたって。。。。。


 みこは、この優しい温もり気持ち悪い視線知らない!知っている。知らない知らない知らない知らない!本当は、知らないフリをしていただけ。。。だってみこの姉妹は皆、みこが殺したんだから。。。




「。。。お姉ちゃん、ありがとうごめんなさい




 一時の気の迷いを断ち切って、みこは駆けて行く。黒くて何も無い、ただ真っ黒な広い場所を。色々な思い出を置いて来たあの場所を目指して、疾んで行く。


 優しい温もりも後悔も未練も、総てボロボロになった名前も知らない誰かのに棄て去って、みこはただただ疾んで行く。




 こんなくだらない寂しい哀しい世界をただ、終わらせるブチ壊す為に。。。。。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る