第76話 しつこい虫さんなんか大っ嫌ぃ!



「ご覧頂けますでしょうか?個体名、ダークネスと呼称される黒衣の小さなが突如現れてから丸4日。怪人の辿った実に我が国の2割に匹敵する広さの大地が、その魔弾により焼き尽くされています。

 そして我々は現在、協会所属の魔法少女の護衛の下。ダークネスから南方におよそ15キロの地点、上空3,000メートルのヘリの中より最大望遠にてかの怪人の状況をお伝えしております。ですが、これほどの距離に在りましても未だダークネスの射程圏内に入っている可能性があり、これ以上の接近は許可出来ないとの事です。

 日本の。。。いえ、世界の皆さん!あの一見可愛らしい見た目に騙されてはいけません!アレは血も涙も無い怪人、そう魔法少女の見た目をした怪人バケモノなのです!!!。。。以上、緊迫の現場より一旦スタジオへとお返しします」



「はい、ありがとうございました。

 杉本さん、怪人にまた何か動きがありましたらよろしくお願いします。

 。。。。。えぇ、スタジオには元序列7位の魔法少女で現在はお二人のお子さんのお母さん、そして謎の美人魔法少女評論家としてもご活躍の月下の美熟女マダムルミナスさんにお越し頂いています。

 ルミナスさん、昨夜21時に行われました魔法協会並びに政府の緊急対策本部による合同発表によりますと、魔法少女史上最悪の怪人・ダークネスは約二か月前に発生した、10位〜20位の魔法少女ダブルナンバーズ襲撃事件でとなってしまった新進気鋭の魔法少女、鮮血色の戦乙女クリムゾン三白眼の小桃プラムちゃんの死体に憑依し、その魔力を悪用している可能性がある。との事ですが、実際のところその様な事は起こり得るのでしょうか?」




 トボトボ、テクテクと。

 知らない鉄塔の在った知らない街に、29人の魔法少女汚ない血肉の雨が降ってからもう3日。みこは当てもなく、ただただ真っ直ぐに誰も居なくなった街を歩いている。どうしてウジャウジャ、ガヤガヤとウルサかった鬱陶しかった人間さん生ゴミ居なく綺麗になったのかは知らない。

 だけど多分そのお陰で餌が無くなったからみこの所にはアレ以来、他の魔法少女ゴキブリの仲間達は来てない♪

 。。。でもね?その代わりお昼過ぎになると、ブーーーーーーン。て遠くのお空の上の方に目障りなデカ物虫さんが来るんだ。。。。。みこはね?静かにして欲しいの。だからね、いつもヘリコプター虫さんが来たらアッチ行って!!!って追い払うの。



アレレ?みこ、虫さん、どうして静かにして欲しかったんだっけ次来たら当てるよ?って言ったよね。。。?)



(ブーーーーーーン)



そっか、死にたいんだね?虫さん、ウルサイ。。。。。火炎招来みこメテオ




「多少問題も指摘されていた小桃プラムちゃんですが、既にかの鮮血色の戦乙女クリムゾン血塗れ桃ピーチちゃんの後継者と見る意見も多数あ


「た、達川さん!大変な事態が起きました!達川さん!達川さん!!!」


 はい!杉本さんどうされました?ええ、現場で何か動きがあった様です!中継映像へと切り替わります!」



「ご覧ください!高度3,000メートルを飛ぶ我々よりも更に上空、黒い無数の巨大な火の球が現れました!!!間違いありません、アレは連日街を一撃の元に廃墟と化している黒き魔弾の雨です!

 まるでその力を誇示する様に、毎日我々が訪れしばらくすると放たれるが今日もまた撃たれ様として


「イケない!逃げてください!!!怪人の狙いは街じゃ無い、貴」


 えっ!?


(ピ、ザーーーーーーーーーーーーーー)」



「杉本さん!?杉本さん?美熟女ルミナスさん今のは。。。」


「。。。アレは恐らく、極大魔法級の範囲殲滅魔法です。残念ですが、護衛に就いていた3名のレベルであのクラスの魔法への対処はとても、」




 火炎魔法みこメテオは、魔法なんて呼べない。こんなのただの虫除け専用蚊取り線香

 みこの横に在るお店の点きっぱなしのテレビには、蝶仮面のお姉さん変なマスクのババアのスゴく神妙な笑える姿が映っていた。そんなのはもちろんどうでもいい知らないんだけど、火炎魔法を撃つ虫さんをプチする前にテレビから聴こえた


鮮血色の戦乙女クリムゾン血塗れ桃ちゃんピーチ


 なんだか懐かしい、誰かのお名前。。。。。

 そうだ!みこ、お姉ちゃんを探さなきゃ!!!みこお姉ちゃんと隠れんぼしてた遊んでたのに、どうして今まで忘れてたんだろ???

 待っててねお姉ちゃん♪例えお姉ちゃんが何処に居たってこんな煩いだけの下らない世界、みこが直ぐ見つけて終わらせてあげるから。。。。。フフフフフ♪




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