世界征服(ワールドブレイク)

第75話 良いお天気なんか大っ嫌ぃ!



「フンフンフン、フフン♪」



 あの街で、毎晩登り慣れていた赤と白の鉄塔。

 久しぶりに座ってみたその天辺は、全然知らない場所の知らないみこメテオでボコボコにした景色でもなんだか懐かしい気持ちがして来て、やっぱり嫌い。。。。。モゾモゾ、プランプランて、さっきから全然落ち着かないお尻や脚の居心地の悪さも嫌い。


(そう言えば、どうしてみこはいつも右側を空けてこんな中途半端な所に座ってたんだっけ。。。?)




(それはアンタが魔法少女だからじゃない?よく言うでしょ?何とかと魔法少女は高い所に登りたがるって♪)


「チッ!」




 みこに向かって、急に投げ付けられた心の中テレパスの声。

 頼んでもいないのにみこの疑問心の声に答えたのは、やっぱり魔法少女ゴキブリだった。。。

 みこの座る鉄塔の天辺よりも更に上、キラキラと眩しい太陽の中にその魔法少女達たくさんのゴキ達は群れている。呼んでも無いのに、ウジャワラと湧いている。みこはそれを見つけただけでもイライラする気持ち悪いのに、その中の一人がゆっくりとコッチに近付いて降りて来る。。。



「えっと、貴女が鮮血色のクリムゾン。。。小桃プラムちゃんさんであってますかしら?」


「。。。」


(無視は酷くない?一応アタシ、歳上で格上先輩なんだけど)


「。。。チッ」


「お話では真っ赤な魔法のドレスをお召しと聞いていたのですが、、、まぁ良いでしょう。

(アタシさ、歳下って嫌いなのよね。特にアンタみたいな生意気なクソガキ)


 ワタクシ銀色の戦乙女シルバー潔癖なるお嬢様イリーガル、及ばずながらこの国の序列の4位を賜る魔法少女です。小桃プラムちゃんさん?大人しく投降するならば、この私が貴女の身の安全は保証します。ですから、こんな哀しい争いはもう止めに致しましょう。ね?」

(だからさ、間違っても降伏だけはしないでよね?アンタのこと、ボロボロの雑巾みたくブチボコせなくなるからさ♪ホラ、サッサとかかって来なさいよ?もしかしてビビってんの?ウワ、ダッサ♪流石チビッ子超〜ウケる、ハハ♪)



 お耳と頭の中、同時にカサカサと耳障りな魔法少女ウジ虫の声が嫌い。



「貴女は魔法の杖を刀に変えながら、右脚を立てて立ち上がり、驚いた表情で眉間に皺を寄せつつ私を見上げる♪」

(どうしたの?怖いの?♪居るのよね偶に、自分より弱いヤツに偉そうな調子に乗った雑魚。ねぇ知ってた?お雑魚チビちゃん、上には上が居るのよ?ハハハハ♪)


「自慢ではありませんが私、貴女の考えが手に取る様に解りますの。。。この決して趣味のよろしく無い能力のお陰で、潔癖なるお嬢様イリーガルそう呼ばれる程に、私はこれまで怪人てきの攻撃に当たった触れたことがありません。ですから無駄な抵抗はお止めになって、投降してください!」

(ほらほら、早く♪無駄な抵抗始めてくれない?ま、アンタのノロマな攻撃なんてこの4位のアタシには擦りもしないわけだけどね♪ハハ)



「あの娘お可哀想、お姉様の独壇場のお相手だなんて。。。クス♪」


「フフ♪ちょっと、笑ったりしてはあの小さな子に失礼よ?フフフ♪」




 一人じゃ何も出来ないいつも囲んでフルボッコな癖に、さも自分達が強いみたいに高い所から見下ろす魔法少女勘違い雑魚が嫌い。。。




「貴女達?聞こえていますわよ?まったく♪帰ったらお仕置きですお話しです


「はい姉様♡」

「喜んで♡」




 女の子同士なのに。。。そういう事ばかりしてる魔法少女キモいのが嫌い!!!




「ごめんなさいね、お気を悪くなさらないでくださるかしら?皆さん歴戦先輩の魔法少女ばかりですから♪」

(つうかさ、その頭に乗ってる狐のお面何なの?もしかして、アニメか何かのコスプレ???ゴッコ遊び?気付いてる?ソレ、超いよ?ハハハハハハ♪)




 嫌い。

 お姉ちゃんの形見センスを、侮辱する魔法少女ゴキブリなんか一番嫌い!嫌い嫌い嫌い!!大ッ嫌ぃ!!!!!




「貴女は脚に魔力を込めて跳躍し、上空の魔法少女へとを振るう。皆さんお気を付けて、攻撃が行きます」

(本当ダサ。アタシに勝てないから他の子達に仕掛けようだとか、あ〜つまんない)


「はぁ〜。。。い!?」


(ガン!!!!!!!!)


「キャァァァ。。。」

「ガ!!!」

「ヒャッ!」


(ガラガラガラガラガラガラガラガラ。。。)



 なんだか懐かしかった知らない鉄塔は、逆鱗仮面なじられたみこの跳躍に大きな音を立てて崩れて行く。。。ガラガラと鳴り響くその地鳴りの様な爆音が、みこが杖を振る度に聞こえて来た筈の魔法少女ゴキブリ断末魔鳴き声を、いい感じに掻き消してくれた♪




「う。。。で。。」

(アタシらは精鋭よ!?5位から8位までの魔法少女も居るのよ!!!?それが、たったの数秒。。。???あり得ない、あり得ない!!!)


(お姉さん、4位のお姉さんには何だったっけ。。。?)


(ギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!腕が、アタシの腕が!腕がぁぁぁぁ)


(お姉さんてさ、スゴく雑魚バカだね♪)


(はぴゃ!!!。。。。。)




 心の声考えを読めても、反応出来なければ意味は無い。折角それを教えてあげようって、じっくり殺そうとした先ずは左手だけにしたのに頭の中に響くテレパスの声がウルサ過ぎて、つい首を刎ねてしまった。。。。。あーぁ、せっかく良いお天気気分だったのにな。


 みこの気分空気を察する様に、雨の気配が強まるお空。。。今日のお天気はね?


 晴れ、時々火炎魔法みこメテオ。時々魔法少お29女、後雨だよ?フフフ♪




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