五章幕間 お姉ちゃん④



「せーん輩♪また勝手に抜け出して、こんなとこでな~にしてるっスか?♪」


「あ、スミちゃん♪ごめんな。直ぐ戻るつもりやったんやけど、通り掛かったら女の子この子が泣いとる声が聞こえた様な気がして、つい寄り道してしもうたんよ。。。」




 乙女達の花園シークレット・ヘブン、最深部。

 その片隅の小さく粗末な部屋で、その幼女は眠っていた。

 形式かたちだけのバイタルモニターに接がれ、死んだように安らかく眠り続ける幼女は2ヶ月以上一切目覚めてはいないのだが、不思議な事に彼女は点滴による食事も排泄の世話も全く必要としてはいない。

 何故ならその幼女には、まるで世界から隔絶する彼女を包み護るかの様に複雑かつ強力な結界が幾重にも掛けられ、汚れの浄化も栄養の補給も結界の力だけで事足りているのである。しかしその結界は同時に検査の為の注射針を始め、外部からの幼女の身体への干渉の一切を許さない。

 したがってこれまで数多の魔法少女達の治療を担って来た花園の職員達でさえ、この生きたまま死に続ける幼女を安置という名目で放置する以外に手は無いのであった。




「な!!!!!せ、先輩、またしても新しいロリッ娘を見つけたんスか。。。?この浮気者~!

 先輩にはスミレと言う者が、スミレと言う超~健気でプリプリな可愛い後輩が在りながら!先輩は、先輩は。。。。。」


「もぉ、そんなんじゃあらへんよ?

 まったくスミちゃんは、ホンマ焼き餅屋さんなんやから♪(チュ♡)」


「そ、そんなキス位じゃスミレはもう騙されないッス!!!」


「ウフフ♪だったら。。。これなら信じて貰えるん?♡」


「せ、先輩。。。まだシャワー浴びて無いのにそんなとこ汚、ヤッ。。。」


「ホンマに。。。イヤ?♡」


「だ、だって。。。その子が目を覚ましたら、ヒャン♡」


「大丈夫。。。な、スミちゃんええやろ?♡ウチ、もぅ我慢出来ひんの。。。今すぐスミちゃんの全部が欲しい!!!スミちゃんの全部をウチに頂戴!?♡」


「ヤン♡先輩、そ、そんなに急に激しくされたら。。。スミレは、スミレはスグ!!!!!イヤァァァァ♡。。。。。」




 ジュルジュルと暗い部屋に激しく響いた艶かしい音。

 絶叫にも聞こえる悦びに悶え、絶頂へと達した少女は糸の切れた操り人形の如く動きを止めた。瞬きも呼吸も鼓動さえも、まるで本物の人形の様に事切れた少女を尻目に眼鏡のお姉さんはキスをする。




「ごめんな。。。。。もうちょっとだけ待っててな?お姉ちゃんのお姉さんが、絶対大好きなお姉ちゃんの所に連れて行ってあげるから。な?だから、もう少しだけ良い子にネンネしててな?。。。チュ♡」




 誰にも起こせない触れられないはずの幼女いもうとおはようおやすみのキスをする。。。。。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る