第57話 モフモフなんか大っ嫌ぃ!





「おぉ♪よう参った妾の御子や。。。。。。どうしたのじゃ?早ういつもの様に妾の側に来ておくれ?」


「。。。」




 絡み付く様な殺気を隠しもせずにみこを側へと招くこのババアママも、本当は殺してお掃除してしまいたかった。

 でもね。お姉ちゃんがダメだよって言ったから、みこは紅の鼻栓お鼻バリア越しにも臭ってくるこの酷い殺気臭いを我慢するの。臭くて、ウザくて、嫌だ臭いけど。。。みこ、お姉ちゃんの為なら大丈夫だよ?ちゃんと我慢出来る♪




「のぅ、御子や?其方は何故、かの客人どもの首を刎ねたのかえ。。。?」


「朔夜様それは、」


「黙りおし、妾は今この御子に問うておるのじゃ。それともアレは、其方の差し金じゃったのかや?。。。のぅ、神夜?」


「いえ。。。申し訳、ございません」


ババア、ブチ殺してあげようかママ、お姉ちゃんを怒らないであげて

 アレはね、全部みこが一人で殺ったの。。。」


「ほう。。。で?ソレは如何な腹積もりかや?」




 みこを笑顔でヤラしく抱っこしながらも、ママババアのそのモフモフな気持ち悪い二本の尻尾は、しっかりとみこの急所に狙いをつけている。

 隠しても無駄笑っててもダメ化けの皮はもう剥げているよ怒ってるのバレバレだよ?みこのお返事次第で、ブチ殺す気満々てお顔してるもん♪

 て言うかこのババア、背中越しならバレない殺せるとでも思ってるのかな?フフフ♪本当怪人てどいつもこいつもバカ粗大生ゴミって使えないヤツばっかだね♪




「だってね、あのオジさん達みこのこと食べようとしたんだよ?

 コックのハムスターさんがね、みこはママの玩具みこだから食べちゃダメ!って言ったのに、あのハムスターさんを殺してね、みこに襲いかかって来たの!」


「ほぅ、故に盟を結ぶ為わざわざ集めた客人どもを殺した。。。と?」


「ぅぅん。違うよ?♪殺したのはお姉ちゃママんの為だよ?」


「妾の。。。?」




 みこの意外な答えに、ママババアのキツネさん耳がピクッ!ってなった。もちろんこれは、お姉ちゃんに教わった嘘♪単純バカ過ぎるババアの反応に、みこは段々面白くなって来ていた。




ううんぅん違うよそうだよ

 だってお姉ちゃママんの言うこと聞かないムカつくクソ虫悪い怪人さんなんて、生かしておく意味なんか無いでしょ?♪他所者お客さんだとか身内此処の人だとか、そんなのは関係無いよ。


 大事なのは服従YESNOか、ただそれだけでしょ?♪


 だからね、お姉ちゃママんの邪魔をするクソども悪い子はみこが皆、み~んな殺すことにしたの♪

 例えソレがパパ王様でもママ神様でも、みこが殺す。お姉ちゃママんに逆らうクズおバカさんは、一匹残らずみなごろしニシテアゲルノ♡


 だって、弱い者は強い者にブチ殺される悪い子はお仕置きされる。それがこの世界のルールでしょ?ウフフフフ♪」



「アレは仕置き、とな?。。。オッホッホッホッホッホ。

 そうじゃ、その通りじゃ♪弱従強順、それこそ世の真理。妾達人外の者にも唯一共通する、絶対の掟に相違ない♪

 それにしても本に其方は、なんと可愛い御子か♪危うく妾は、其方を叱りつけてしまう処じゃった。御子や、浅はかであった母を許しておくれ?」


クタバレぅんクソババアいいよ♪みこね、ママのことだぁい嫌い好き♡」


「ホホホホホ♪そうかそうか、妾も御子の事を好いておるぞえ?其方の様な愛らしい御子が居る妾は果報者じゃ♡のぅ?神夜」


「は。いと麗しくおはします御二方こそ、この世の覇を握るに相応しきかと」


「もぉヤダ♪ママくすぐったいょ。。。」


「ホッホホホホホ♪そうかそうか、ホホホホホホホホホホ♪」




 みこを撫で回すモフモフにイライラしながらも、みこはお姉ちゃんに言われた通りの。ぅぅん、それ以上の演技をした♪

 だってこの程度の演技良い子ちゃんに騙されるなんてチョロ過ぎて、バカみたいだった面白かったんだもん♪




「ホホホホ♪あぁ~笑うた笑うた。。。して、御子や?」


「(はぁ。。。)まだ何かあるの?クソバん?なぁに?お母~さん♪バア」


「これ程聡い其方の事じゃ、自らの行いに対して相応の覚悟はしておろうや?」


「覚悟?」


「あぁ、そうじゃ♪其方は曲がりなりにも、妾と同格を謳う他の四天の者どもの右腕を根刮ぎ討ち取った。即ち、ヤツらの顔にベッタリと泥団子を投げ付けたのじゃ♪

 今回ばかりは、政になど興も示さんヤツらとて黙っては居らんじゃろう、のぅ?神夜」


「。。。はい、遠からず東西南の勢力が徒党を組み、我が方へと攻め上って来るでしょう」


「そこでじゃ。御子や、其方が此れ等を迎え討て」



「!!!!!!!?さ、朔夜!」


「黙りや神夜。何も妾は一人で、とは言うてはおらん。ただ、


責任を取れ力を見せよ』。


 そう申しておるのじゃ」



「ですが。。。」


「神夜、其方も見てみたくは無いのかえ?仮にも四天の右腕を名乗りしかの三人を、いとも容易く屠って見せた御子の有用性実力を♪」


「しか」

「良いよ♪みこね、お姉ちゃママんの役に立ちたい♪」


「御子様!!!」


「そうかそうか♪やってくれるか、本に其方は可愛いのぉ♡」


そろそろ本当にヤメテ、ブチ殺すよ?もぉヤダ〜♪くすぐったいよぉ♡




 今すぐこのモフモフを引き千切りたい気持ち悪さを我慢しながら、みこは最後まで演技を続けた。

 そんなみこを見つめるお姉ちゃんは、何だか哀し寂しそうにも見えて辛そうなお顔をしている。。。待っててねお姉ちゃん、この拷問みたいに嫌な時間が終わったらみこがいっぱい、い〜ぱいギュ〜♪ってしてあげる♡



 。。。。。。だけどどうしてお姉ちゃんは、このクソババママアの事、殺しちゃダメって言うのかな???

 こんなヤツ、早くホコリを絡めとるモフモフしたヤツお掃除道具にでもにしちゃえばいいのに♪




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る