第58話 いい匂いなんか大っ嫌ぃ!




「あーん♪」


「どう?みぃちゃん、美味しい?」


「ぅん♡スゴく美味しいよ♪」


「ごめんね、くれーぷ?作ろうとしたんだけど、失敗しちゃって。。。」


「ううん、良いの♪作るのが難しいクレープの方が悪いんだよ。。。あーん♪」





 あの後。1時間くらいは続いたババアの攻撃永遠に続くかと思ったモフモフタイムは、みこの上げたお腹グウの音でやっと終わった。途中何度もブチ殺して尻尾千切ってあげようかと思ったんだけど、結局ババアママの二本の尻尾は今も無事にモフモフしてる。。。


 それでね、お腹の空いた色々グッタリしたみこの為にお姉ちゃんがご飯を持って来てくれたんだけど。お姉ちゃんが持って来てくれたのは、しの粒あんとバニラアイスが乗ったパンケーキだったの♪

 みこはすっかり忘れてたんだけどね?お姉ちゃんクレープの作り方調べてくれたんだって♪でも色々材料無くて、しかもパンケーキの元を普通に使ったから膨らんじゃって。。。仕方ないから、そのままパンケーキに変更したんだって♪みこのお姉ちゃんはね、優しいだけじゃ無くてこういう可愛い所もあるんだよ?♡


 みこは待ってる間イライラし過ぎて、この隠れ家に居るお姉ちゃん以外全員ブチ殺大掃除してやろうかな?。。。って思ってたんだけどね♪お姉ちゃんが一口あーん♪ってしてくれたら、もぅどうでもよくなっちゃった♡ウフフフフ♪




「フフ♪みぃちゃん?口元にあいすくりんが付いてるわよ?」


「取って取って?♡」


「仕方ないわね」


「えへへ♪お姉〜ちゃん♡」


「あ、コラ♪急に抱き着いたら危ないでしょ?お皿落とすとこだったぞ♡」


「ごめんなさい♪」


「フフフ♪しょうがないわね」




 みこはお姉ちゃんが大好き♡

 お姉ちゃんが居てくれたら、他には何にも要らない。お姉ちゃんの為なら、世界中のパンケーキをこれからクレープと呼ばせる事だって出来る!。。。と思う、多分。


 とにかく!

 そのくらい、お姉ちゃんの為なら何だって出来るの!




「。。。。。。みぃちゃん?」


「なぁに?♪」


「逃げても、良いのよ?」


「!???お姉ちゃん、急にどうしたの?」


「みぃちゃんなら、此処から逃げるなんて簡単でしょ?これからみぃちゃんが相手にしようとしてると言う怪人達は、朔夜様ママと同等。

 ううん。それぞれの長所においては、ソレ以上に危険な相手なの。だから、」


「お姉ちゃんは、一緒に来てくれる。。。?」


「お姉ちゃんは。。。」


「ヤダ!!!お姉ちゃんが一緒じゃ無いなら、みこは何処にも行かない。

 そんな粗大生ゴミ怪人さんだって、怖く無いもん!ババアママと同じくらいなら余裕だもん!余裕で全員ブチ殺せるどうにか出来るモン!」


「みぃちゃん、良く聴いて?

 四天の怪人達は、普通の怪人とは違うの。単なる力だけじゃ測れない厄介つよさがあるの。。。お姉ちゃんはね、みぃちゃんが危ない目に遭うのを見たくない。。。」


「大丈夫だよ!みこはお姉ちゃんが居てくれたら平気、無敵だもん。みこね、こう見えてすっごく強いんだよ?♪お姉ちゃんのことも、もぅ護れるくらい強くなったんだよ?♪」


「。。。。。みぃちゃん、みぃちゃんは初めから気が付いているんでしょ?お姉ちゃんが、本当は」


「ヤダ!!!!!!!聞きたく無い!

 お姉ちゃんはお姉ちゃんだもん!みこがそう言ってルンだよ!だったらそうに決まってる!決マッテルノォォォォォ!!!!!」


「ガッ!。。。ア、みぃ。。。ちゃ」


「!!!!!!!ごめんなさい!

ち、違うの。。。みこは、みこはね、お姉ちゃんが、お姉ちゃんが。。。お姉ちゃん」





 パンケーキを食べた後、お姉ちゃんはみこをいつもみたいに抱っこしてくれた。。。


 みこはねお姉ちゃんが好き、大好き。

 なのにみこは。。。気が付くとみこは、キツネさんのおを被ったお姉ちゃんの首をギリギリと絞めていた。。。違う、違うの。


 みこは、みこはね。。。




「。。。みぃちゃん、大好きよごめんね




 慌ててハッ!と首から手を離したみこを、お姉ちゃんはまた抱き締めてくれた。お姉ちゃんの暖かいお胸と、甘い良い匂いに包まれるみこは、またにかかったみたいに深い眠りへと誘われていく。



 あぁ♪やっぱりみこは、この良い匂いを知らないお姉ちゃんの優しい匂いが好き♡。。。




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