第55話 猫さんなんか大っ嫌ぃ!




「う、嘘でしょ!?わ、私達は神の主に。。。四天の右腕たる怪人神に最も近しい存在なのよ!?それをたったの一撃って。。。ア、アナタ一体どういう魔法を使ったのよ!?」




 湿り気のある鈍い音が二回鳴った後、腰を抜かして怯えた表情を浮かべる面白いお顔をしているお姉さんババアが、何か言ってるほざいてる

 そんなお姉さん猫耳ババアの怯えた視線の先。さも強敵みたいな雰囲気を出してみこに近寄って来た二匹の怪人臭い粗大生ゴミは、あっちで真っ赤なお帽子さんになっていた。


 フフフ。このお姉さんもおバカさんババアも使えないゴミなんだね?


 あんなのはね、魔法一撃とすら呼ばないんだよ?





「。。。フフ。魔法とか、バッカじゃないのお姉さん?何を言ってるの?みこはね魔法なんて使って無いよ?コレはただの物理攻撃鈍器だよ?♪」


「そんなはずは!だって、あの飢鬼の爪は鋼鉄さえ紙の様に切り裂き、蜥蜴漢りざりおの皮膚はこれまで一度たりとも傷なんか。。。そ、それをあんな簡単に」


「ヘェ〜。そうなんだぁ♪

 じゃぁこれまでオジさん達が闘ったのは、皆雑魚弱いのばっかりだったんだね!♪ねぇねぇ?そんな事より、お姉さんは何が得意なの?

 やっぱり猫さんだから、スピードには自信があるの?それとも、高い所から落ちても平気なのかな?みこね、お姉さんの得意なも見てみたいなぁ?」


「ヒ!!!!!!!わ、私は。こ、来ないで!お、お願い!こ、殺さないで!。。。そうよ!み、見逃してくれるならお姉さん何でも言う事聴いてあげるわ!ね?だ、だから殺さないで!?」


「え〜?♪。。。どうしよっかなぁ〜?フフフ♪」


「。。。ア、アハハ。あっ!お嬢ちゃん?お、お姉さんはね、可愛い猫さんに変身出来るのよ?見たく無い?」


「本当!?見たい見たい♪みこね、猫さんだぁい好き♡」




 本当は別にどっちでも良かったし、はっきり言って興味も無い猫も嫌い

 そしてミリミリ、ブチブチと。

 ドレスを裂き破って、大きな黒猫さんに変身したお姉さんババア



「ニャハハハハ♪バカにゃ子。

 この姿を見て私の攻撃を避けられた魔法少女お嬢ちゃんは、今まで一人だって居にゃいのよ!覚悟しにゃさいお嬢ちゃん、お姉さんがアニャタを骨までシャブリ尽くしてアゲル!!!!!」



 思った通り、おバカさんだった可愛く無かった

 ヒュンヒュン、ヒュンヒュンと。

 お部屋の中を縦横無尽?アチコチに跳び回る猫さんは、黒いレーザーみたいで確かに速い。でもそれだけ。。。この前闘った魔法少女カメムシの攻撃の方が、よっぽどやり難かったマシだった




「ギャァァァァァァァァァ!尻尾が、わ、私の尻尾が!!!!!!!」


「あ!ごめんねお姉さん!

 お姉さんがあんまりにも鈍い速いから、みこビックリして。。。尻尾ネコんじゃった♪」




 おバカさん丸出しで猫さん真っしぐらでみこの首を狙って来たお姉さんの尻尾を、みこはもう原形の無くグニャグニャになってしまったお帽子掛けクリムゾン鈍器で、地面が凹む位踏ん付けて軽くお仕置きしてあげた。

 えっ?どうして殺さないのかって?みこはね、このお姉さんにやって貰いたいことがあるんだ♪だからね?こういう偉そうな怪人粗大生ゴミてさ、圧倒的な力の差少しの絶望を見せてあげたら大人しくなるでしょ?♪フフフフ。


 ブチブチブチ!!!


 って、痛そうな音はしてたけど。尻尾、千切れては無いみたいかな?良かったねお姉さん♪

 大人しくなったお姉さんは、さっきの人間モードへと戻っていき、近寄って来るみこを泣きそうなお顔で見上げている。そんなお姉さんババアの頭の猫耳のしなしな具合に、ちょっとだけ可愛い気もした殺意が湧いた




「。。。そうだお姉さん?さっき何でも言う事聴く死にたく無いって、言ったよね?」


「は、はぃ。。。」




 。。。えっと何だっけ?

 怪人の矜持ゴミの存在価値?そんなの一体何処にあるのかな?みこには全然分かんないや。だからねお姉さんにはね?存在価値矜持の代わりに利用価値お仕事をあげることにしたの♪

 フフフフ。そんなに怖がらなくても大丈夫だよ?のろお姉さんおバカさんにも出来る、スゴく簡単なお仕事だから♪




「じゃぁお姉さん♪もうご主人様の所に帰って良いよ?」


「。。。へ?」


「そしてご主人様にこう伝えて欲しいんだぁ。降伏するか、死ぬか選べ言う事聴かないと殺しちゃうぞ?。ってね♪」


「アナタ、正気。。。?そんなこ、アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」


「お姉さんには、冗談にでも聴こえたのかな?♪」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。。。ァァァ」




 殺したくなっちゃったのを我慢して、反抗的なお姉さんの右足首を踏み砕いたみこは。その後ちゃんとお姉さんを、見逃解放してあげた。

 もちろん、メガネと蜥蜴のお頭二つのお土産付きでね♪


 昨日の方向を向いたままの右足を引き摺りながら、頑張って逃げ帰って行くお姉さんの後ろ姿を、みこは見えなくなるまで見送った。



「フフフフ。ククク、フフフフフフフフフフフフフフフフ。。。」



 その姿がスゴく惨めで、スゴくおかしくて。。。真っ赤なお帽子さん他所から来た生ゴミでいっぱいの廻廊には、みこの笑い声だけが良く響いている。


 待っててねお姉ちゃん?お姉ちゃんの言う事聴かない怪人ゴミなんて、みこが全〜部殺し尽くお掃除してアゲル♪

 みこはね?お姉ちゃんの為だったら、神様だって迷わず殺せる。だから楽しみにしててね♡



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