第46話 解放なんか大っ嫌ぃ!




「まったく、ポコスカポコスカあんなレベルの魔法ぶっパしちゃって、一発でも街に落ちたらどうするつもりだったっスか?結構外野が、煩いんすよ?外野が!何かあったらすーぐ、


 魔法少女は危険だ〜、魔法協会だけには任せておけない〜、


 って。ワラワラ、ガヤガヤ群がってくるんスから。。。

 まぁ結果何も壊しバレてないから良いものの。正直、桁がここまで弱っちい使えないとはスミレも思ってなかったッス。。。」




 溜め息混じりに、そう吐き捨てる紫色の魔法少女うるさいコバエソレを睨み付けているコバエが気に食わないのは、蹴り飛ばされた私だけではない。




「確認。。。いつから此処に。。。?」


「いつから?そうっスねー。。。♪

 アンタ達がキャラぶって、極大魔法を合成混ぜ混ぜし始めたくらいっスかね?♪」


「だったら、どうして!!!」


「アッハハハハハハハハハ♪どうして助けてくれなかったの?スか?

 アハハハハハハハハハ♪ちょっと、あんまり面白い冗談言わないで欲しいっス!

 アハハハハハハハハハハハハハハ♪アーァ。。。。。。

 前々から思ってたんスけどアンタ達、ちょっと魔法少女世の中過ぎてやしないっスか?舐め舐めはお姉ちゃんにだけ甘えるのも、大概にしてもらいたいっス。


 それに、スミレはちゃ〜んと助けたじゃないっスか♪


 無駄な事しながらバカみたいに背中を晒してた隙だらけな、アンタの首が飛ぶのを」




 飄々と、さもバカみたいに大袈裟な笑い声をあげる紫色の魔法少女煩いコバエ。全然コッチを見て無くて自分の方こそ隙だらけに見えてはいても、多分私の攻撃魔法は当たらない。この隙は余裕の表れか、見え見えな罠。


 さっきから止まない、この前戦った時とは明らかに違う違和嫌悪感。

 そういうムカつく何となくな感覚寒気は、ずっとするんだけど。。。結局何が変わったのかは、よく解らない。

 でもね、相変わらずこの魔法少女コバエの喋り方はムカつく。




「ゲホ!ゲホ。。。」


「一颯!!!」


「あらら。。。痛そうっスね?

 スミレもあのロリッ娘におをぐちゃぐちゃにされた時は、一週間くらい血尿地獄を見せられたっスから、気持ちはいくらい解るッス。。。

 さ、此処はスミレに任せて、早くお姉さんを連れて行くといいっス♪」


「!!!?。。。恩に、着る」


「いいっスよぉ〜♪水臭い。

 同じ、じゃないっスかぁ♪ホラ!早く♪」




 ハ?オマエ。。。ナニヲ言ッテルノ?


 海面を蹴り一直線に飛び上がる刃は迷い無く、さっき斬り損ねた魔法少女カメムシの首を狙う。何も考えてなんかいないお股の痛みなんか知らない!身体が勝手に動いていた逃してなんかヤルモノカ!!!


 私はお姉ちゃんに皆殺すって約束したんだよ?なのに、ナニ勝手に逃がそうとシテルノ?


 許さない!逃げるなんて、許さない!!!




「おっと!ダメっスよロリッ娘?アンタの相手は、スミレっス♪」


「チッ!邪魔!!!」


「アハハハハハハ♪そうっス♪ソレでこそロリッ娘っス♡アンタには可愛い悲鳴なんかより、そのクソ生意気な舌打ちの方が断然似合うっス♪


 にしても、流石っスねぇ?♪

 いくら先輩のが解けたとは言え、殺すことに全然躊躇も迷いも無い。さしずめ殺し血肉に飢えた猛獣♪とでも言うっスか?

 見た目はこんなにカワイイなのに、怖い怖い♪」



 ガキン!ガキン!と、激しく火花を散らす。。。けれど私の杖があの目障りに揺れる遠ざかる二つのポニーに届くことはない。

 相変わらず右手だけで捌かれてるのも、コイツのお喋り煩い羽音も全部全部スっごくムカつく!!!


 退いてよ!!!みこの邪魔しないで!!!!!!



「退ケェ!!!!!!」


「ウワチチ!!!危ない危ない♪もうちょっとで双子ちゃんを、丸焦げにされるところだったっス♪

 本当相変わらず、油断も隙もありゃしないっスね!」



 残りの魔力をほとんど込めて、思い切り振り抜いた紅い爆焔を激しい怒りを纏った私のは、如何にもワザとらしい身振り一つ切っ先の先端、その一点だけで軽々と止められた。。。ムカつく。


 爆ぜる焰の向こう。紫色の纏わせた障壁に包まれ、私の虫かご包囲拘束魔法の風壁をすり抜ける双子の姿が見えて、さらにムカついた。。。


 ムカつく。。。ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく、みこの邪魔ばかりして!絶対ブッ殺す!!!


 レジストとは、多分違う。

 阻害されたと言うよりは、透過する。すり抜けるに近い感覚。。。?だけど、そんなのどうでもいいよ!!!!!!




「。。。約束したのに。

 絶対、一人も逃がさないって。。。約束したのにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


「!!!?やれやれ♪

 普通魔法少女ヒロインは、の心に燃えてレベルアップするだと思うんスけど。。。?


 殺し損ねて謎の力解放パワーアップ!とか、どんだけんでるんすか?♪♪♪」




 よく、目の前が真っ白になるって聞くけれど。

 本気で頭に来た私の場合は、ちょっと違った。



 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコろすコろすコろすコろすコろすコろすコろすコロすコロすコロすコロすコロすコロすコロすコロすコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス、皆々ブチ殺す!!!



 お邪魔虫や卑怯者目障りで耳障りな害虫への殺意一色に染まった私の目の前は、すごく綺麗な真っ赤な血の色お姉ちゃん色に染まっている♪


 待っててねお姉ちゃん♪今すぐ魔法少女害虫なんか、皆殺すから♡






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る