第45話 邪魔されるのなんか大っ嫌ぃ!





「ホラホラ!どうしたの子猫ちゃん?もっと頑張らないと、死んじゃうよ???♪」


「。。。」




 焰の尾を引く魔法の矢は、雷の速さで向かって来た双子の槍斧魔法とぶつかり砕け散る。そのまま拮抗する二つの魔法、遮る焰の壁と貫く嵐の槍斧は徐々に私の魔法の方が押され始めていた。



「私達の魔法が負けるはずがない♪」



 激しくぶつかり合う魔法越しに見えた魔法少女カメムシ達は、如何にもそんな顔をしながら繋いだ手をさらに強く絡めて、勝利を確信している唇を重ねる。。。フフ♪死ぬのはソッチ、だよいい加減、本当に目障りなんだけど



「一颯!!!!!!」



 悲鳴みたいに叫びをあげて、その堅く繋がれていた余りにも目障りな二人の手と唇姉妹の絆は、海から突然にせり上がった鋭い氷柱によって引き裂かれる。

 妹を庇った魔法少女右ポニーは障壁ごとお腹を完全に貫かれ、動転する魔法少女左ポニーは天高く串刺されたもう一人の血の雨で真っ赤に染まる。


 もちろんアレは、私の魔法♪

 え?もう一つ魔法を使ったのか?ううん、違うよ♪

 アレは、さっき砕けた焰の矢の力。私が放った極大魔法は、


 焰の結界が逃げ場を焼き尽くし、閉じ込めた敵を全方位からの氷柱が串刺しにする。


 多分、そんな感じの魔法。

 超極大魔法同士をぶつけた所為で、ちょっと予想とは違っちゃったけど。とりあえず一人は串刺しにしたから、まぁまぁの出来って感じかなぁ?♪




「一颯!一颯!」


「キャ、ハハ。。。よか、った。ふぶ。。。が無事、ガハッ!」


「一颯!喋ってはダメ!!!直ぐに回復、絶対助ける」


「ふ、ぶき。。。わた、は。。もぅ」


「イヤだ!絶対、助ける!!!」




 フフフフフ♪ようやく裁ち切れた、目障りな姉妹の絆イチャイチャ。多分ほっといてもあの魔法少女カメムシは死んじゃうけれど、そんなのは待ってあげない。

 私はお姉ちゃんに、さよならもありがとうも言えなかった。なのにこの二人だけ、お別れの時間があるなんてオカシイでしょ?


 だから、そんなズルッコはに認めない!


 さぁて、どうやって殺してあげよう?♪

 串刺し?バラバラ?それとも、ペシャンコがいいかな?♪


 そうだ♪

 先ずは、元気な左ポニー妹の方から殺そう。動けないお姉さん右ポニーの前で、左ポニーをバラバラにしてあげるの♪そしたら右ポニーは、どんなお顔するのかな?ウフフフフ♪


 みこはね。止めて!ってお願いされても、絶対に止めないんだ♪


 。。。だって、私のお姉ちゃんさきにに手を出したのはソッチなんだから当たり前だよね?


 あ!でもね、安心して?

 最後は寂しくないように、お姉さん右ポニーの方もちゃんと殺してあげるから♪出来るだけ時間をかけて双人仲良く地獄に苦しむように殺して送ってあげる♪あげるね。。。




「一颯!一颯!!!お願い、止まって!止まってよ!!!」




 泣きながら必死に治癒魔法を掛け続ける魔法少女は、他のことになんか全然気が付かないみたいで。直ぐ背後にまで来た私が魔法のを振り上げても、こっちに背中を向けたまま魔法を掛け続けている。


 さようならバイバイ♪、目障りな魔法少女左ポニーさん。



(バキン!!!)



 ギリギリ、ガリガリと。目障りな双子少女変態カメムシ達の片割れを殺したはずのの左ポニーを斬り飛ばした私のは、どういうわけか?後ちょっとの所で止まってしまった。

 本当に後少しなのに、無防備に垂れ下がる左ポニーに私のは届かない。。。




「やれやれ。。。あんまり遅いんで見に来てみれば、アンタら9人係りでなぁ~にロリッ娘にヤラレ返り討たれちゃってるっすか。。。?」




 私のを魔法の受け止めて邪魔しているソイツコバエが、私の貼った虫カゴ魔法の中にいつ入ってきたのかは知らない。何処から、どうやってかも分からない。


 不可視化の魔法を解く喋り始めるまで、こんなに近くに居るのに気配すら感じなかった。。。ガリガリと鎬を削る私の剣は、邪魔の正体が判ってもなお、紫色の魔法少女の右手一本を押し切ることが出来ないでいる。




「やぁロリッ娘、お久しぶりっすね?♪元気そうで何より!!!ッス」


「キャッ!」


「アハハハハ♪そんなカワイイ声出して、どうしちゃったスか?ロリッ娘ならそこは、チ!って舌打ちするところっスよ?♪」




 疲れてはいるけど、まだ弱ってはいない。

 剣だって両手で思い切り押してたし、障壁もちゃんと張れてた。


 それでも私の剣は微動だにしなくて双子少女の首は斬り落とせず、障壁ごと急所お股を蹴られた私の身体は海面まで叩き落とされた。



「チ!」



 障壁は割れていないのに、急所にはダメージが何故か通ってるお股がジンジンするのがムカつく!

 それに。。。急に現れたこの紫色の魔法少女しつこいコバエは、私がお股をグチャグチャにしてあげた時とは明らかに何かが違う。でも一個だけ判るのは、




「アハハ。。。やっぱりロリッ娘はそうでなくっちゃ。わざわざ殺しに来てあげた甲斐が無いッスからね?」




 コイツもやっぱり、ただの邪魔者ムシケラだってこと。。。





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