第35話 お別れなんか大っ嫌ぃ!



 毒紫色の戦乙女・汐田 イオパープリス・アイビー


 このやたらと顔のカワイイお姉さん気持ち悪いナメクジは、序列13位で在りながらこの国で番目にを知られている魔法少女ゴキブリ。けれど、その特別には特に意味は無いコイツに序列以上の力は無い。この変態魔法少女サドナメクジが有名な理由。それは、彼女が


現役のアイドルである正体を明かしている!』


 という、この一点に尽きる。

『汐田イオの塩対応♡』四年位前。ある動画投稿サイトで、突然始まったこの謎チャンネルは世間の感心をまとめて拐った。

 それは一人の普通の女子中学生が、魔法少女ゴキブリに変身し怪人害虫から人間生ゴミを護る!という魔法少女の活動ゴキブリの生態をただ記録密着しただけのモノだったのだけれど。

 彼女はそのルックスと、それからは想像も出来ない強烈なさから、一躍トップ際物アイドルへの仲間入りを果たすことになった。


 ただ魔法少女の中の人、というブランドだけで。。。



 ************



「オラ!オラ!もっと泣きなさいよ!最初みたいに!お姉ちゃん、お姉ちゃんって!ホラ!ホラ!ホラァ!!!」



 べチン!べチン!と容赦無く続く折檻。

 もう私を見詰めるあの子の目に、光は無い。フン。。。いい気味ょ。私に散々迷惑を掛けた罰。


「命!みこちゃん!絶対ダメよ?殺すなんて絶対アカン!」


 そんな風にしか感じて無いのに、私の中のお姉ちゃん達は全然黙ってはくれない。それどころか、今までで一番煩いくらいに私を叱る。。。



(み、こと。。。ち)



「。。。お姉さんたちは、だぁれ?おちゃんのおちゃんに、なにをしてるの?」


「は?この子誰?」


「こ、この子は確か協会が送り込んだって話の。。。」


「あ〜、例の役立たずなお人形ね♪」



 私を叱るお姉ちゃん達の声に混じって聞こえたバケモノバンジーの声。

 そして私の頭の中には、五人の魔法少女ゴキブリとまだ剥かれる前の雑魚チビの姿が映った。この不自然にチラつくスカートの中身なローアングルは、彼処で真っ二つになって転がりピクピクとしているバンジーの記憶。。。


 これでもまだ死んで無いとか、本当この妖精バケモノ気持ち悪いムカつく




「待って!お姉ちゃんを連れて行かないで?お姉ちゃんが居なくなったら、みことお姉ちゃんが」


「煩いわね、邪魔よ!」


「キャ!」


「ホラ、サッサと運びなさいよグズども!」


「やめて。。。おちゃんのお姉ちゃんに、触らないでー!!!!!!」




 チビの叫びと共に吹き荒れた、風刃の乱舞。

 ソレは、詠唱もしていないただの基本魔法。だが、その風刃はお姉ちゃんを運ぼうとしていた二人の魔法少女クソムシの首を刎ねた。。。ハ?何コレ?そんなこと出来るはずが!



「このクソガキが。。。よくも、よくもよくもよくも!アイドルに傷をーーーーー!!!!!!!!!」


「アスミっち危ない!」



 バンジーが無理矢理私に見せた記憶は、そこで終わっている。。。何コレ?一体なんの冗談?だってこの娘は、一人じゃまともに怪人害虫の相手すら?


(先生?もしアスミがこのまま強くなれなくても。。。アスミと、ずっといっしょにいてくれますか?)


 ふと思い出した、あの娘の言葉戯言。。。

 あぁ。。。アレは、そういう意味だったのね。私はあの小さな女の子憎たらしい雑魚カワイイ嘘ムカつく企みを、唐突に理解した。



「ハァ、ハァ、ハァ。。。何?なんか文句でもあるの?。。。そうだ♪アナタに良いこと教えてあげましょうか?♪」



 良いこと。

 この変態魔法少女気持ち悪いSMナメクジが、満面の笑顔を見せるほどの事が私にとって良いことであるはずも無い。



「私達がアナタのお姉さんを没収した理由。

 アナタ知らないのよね?フフ♪殺す前に、特別に教えてあげる。。。

 アナタのお姉さんはね、これからにされて魔に改造されるのよ?♪


(ハ?お姉ちゃんを、道具。。。?)


 アハハハハハハハ♪アー、やっといい表情お顔になって来たわね?♡

 そりゃぁ、そうでしょ?これだけ長い間魔力を生み続けてる腐らない永久機関を、利用しないはずが」



 頼んでもいないのに、ベラベラと喋り続ける魔法少女変態ナメクジ。耳障りなその声はもう、聴こえない。私の中の殺意や怒り、憎しみ。そんな色んな気持ちがごっちゃになったドス黒い闇は、とっくの昔に溢れてしまっている。。。。。。私のお姉ちゃんを、道具。。。?そんなの絶対許さない!!!!!!



「命!!!?何してるの?辞めて!!!それだけは!!!!」

「みこちゃん!?ホンマにアカンよ!?そんな事したら、ウチらは!!!」



 私が何をするのかを察知したお姉ちゃん達は、叱るのを辞めて必死に私を止めようとしている。。。ごめんね、お姉ちゃん達。

 みこはもう、それぐらいのお仕置き苦痛じゃ止められないんだょ。



 これは、私の為にお姉ちゃんを助けよう私につまらない嘘を吐いたとしてくれた、カワイイ妹の為あのチビを助けたいからなんかじゃ無い。単にブチキレてしまったからでも、無い。


 これは。。。私の本当に大切な願いを、護る叶える為。。。。。。



「お姉ちゃん。。。ごめんね。。。?」


「「ギィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」



 私は今日、この手で。。。自分に掛けられた呪いを大好きなお姉ちゃん達を、もう一、解いた度殺した




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