第34話 妹なんか大っ嫌ぃ!



「みこちゃん?命?アカンよ?ダメだよ?」



 真っ赤な血に染まって生臭くなってしまった私達のお家。

 再び私を叱り始めた私の頭の中に木霊する、お姉ちゃん達の声が止む気配は無く。私が唯一、姉賀 命ただの女の子に戻ることの出来たベッドに大好きなお姉ちゃんは居ない。


 代わりに床の上に転がっているのは、見覚えもない魔法少女の生首汚い生ゴミが二つ。。。




ブチ殺してやるお姉ちゃんはドコ!!!!!!」


「あー、ヤダヤダ。

 ね?どうすることも出来ないクセに、そんなに大きな声出さないでくれる?私、煩い女の子身の程知らずって大嫌いなの」


「ガッ!。。。。。。アッ!。エッ。。。」




 壁や床から不自然に生える荊のツルは身体中の首と名の付く部分に絡み付き、私はお部屋に入った途端入り口の壁に縫う様に磔られた。

 ギシギシと棘が食い込みながら巻き付き絞まるこのツルは、さっきの弱っちかった鞭子のムチとはまるで違って、ほとんど息も出来ない簡単には外せない


 加えてツルに溶かされる様に消えていく魔法のヒラヒラドレスが、この荊魔法にはレジストの効果が付与されている事を物語る。




「ン。。。♡それにしても、魔法少女って本当に使えないヤツばっかりだと思わない?」



 ピチャピチャ♡、チュパチュパ♡と。

 ソイツは私に背を向けたまま、ずっとイヤらしい気持ち悪い音を立てている。



「いくら不意討ちだったとしても。。。(チュッ♡)序列18、19位ナンバーズの魔法少女が二人も、(ピチャピチャ♡)

 こんな成りたて覚えたて女の子に魔法で、(チュ♡)首チョッキンされあっさりヤラレちゃうだなんて、(チュー♡)ね?アナタもそう思うでしょ?♪


(ヂュゥーーーーー、、、チュパッ♡)


 キャッ!!!♪

 あーもう!まだ出るの?♡この娘、これで6回目よ?」




 床に雫が垂れる音コイツは何を言っている?

 それに伴って漂ったのは、不覚にも嗅ぎ慣れてきてしまった。チビ雑魚お漏らし不始末匂い臭い。。。。。。


 さっきから、この気持ち悪い魔法少女変態吸血ナメクジがジュルジュルと美味しそうにしゃぶりついているのは。。。

 最近コッソリとあからさまに私のことを、おちゃんと呼ぼうと頑張って目論んでいた可愛いチビウザい雑魚



「先生!あのね?えっと。。。おね、お願いがあったけど」

「みこと先生?アスミね、先生のこと。。。えっとお、おね。。。」



 みたいな感じで、恥ずかしそうにホッペを赤くしながらモジモジモジモジと。何度も、私の顔色を伺っていた。。。あの小さな女の子の身体チビの変わり果てた裸体


 どうせ私は『別に』か『好きにすれば?』しか言わないんだから、サッサと呼んでみればいいのに。

 この子がちゃんと『おちゃん』て呼べるのは、いつもスヤスヤ眠ってる時夢の中でだけ。。。。。。そんなすごくすごく可愛かった目障りだったあの魔法少女おチビの小さな身体を、


毒紫色の戦乙女・汐田 イオパープリス・アイビー


 は、夢中で貪っている。。。



 仰向けの状態で宙に吊るされ、それぞれ別方向にギシギシと引かれる雑魚チビの手足と首は、食い込む荊に血が伝う程キツく深く締め付けられていて、呻き声一つ上げない意識を失った少女チビの身体中には無数の荊で鞭打たれたであろう痛々しい傷がある。


 を舐められ、血を吸われ、魔力を奪われる度にビクッ!ビクッ!っと快楽キモさ反応している波打つ小さな身体は、辛うじて生きてはいた。

 けれど。。。無理矢理に服を切り裂き股を抉じ開け女の子の秘密を暴かれ、ヌチャヌチャ、ヌチャヌチャと意地悪く気持ち悪くある一点を執拗に這い回る荊のツルは、チビの少女としての尊厳を休みなく犯し殺し続けている。



 。。。別に可哀想だなんて、思ってはいない。

 これはこの子が魔法少女で私と一緒にいる事を選んだが故の結末。魔法少女お得意の、ってやつだから私には関係なんか、無い。。。



「ところでアナタ。クリムゾン・ピーチの事はスゴい剣幕で訊いてきたのに、このおチビちゃんの事は何にも言わ触れないのね?♪

 可哀想なおチビちゃん。あんなに一生懸命頑張ったのに、酷い先生ね?」



 。。。頑張った?

 私には、さっきからこの魔法少女変態吸血ナメクジが何を言ってるのかが解らない。このチビ雑魚が、二つ名持ちの魔法少女生ゴミした?


 ハ、バッカじゃないの?

 そんなことあり得るはずが無い!だってこの雑魚チビは、私が居なきゃ虫も怪人すら独りじゃ殺せない様な貧弱な魔法少女ただのチビッ子

 怖がりでダメで泣き虫でウザくて寂しがり屋で鬱陶しくて何かあるとすぐ粗相をしでかすたまに殺してしまいたくなる可愛い女の子憎たらしい足手纏いでしかない!




「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ♪ハーーーーーー。。。


 この糞ガキが!!!調子に!乗り!やがって!ワタシの!に!こんな!キズ!なんか!オラ!!!勝手に寝てんじゃないわよ!!!!!!」



 ベチン!!!ベチン!!!と荊が肉を打つ音がする。。。

 無理矢理起こされ、なおも尊厳を犯され虐められ続ける魔法少女チビッ子は、苦痛に泣き叫ぶでも無く、慈悲を乞うでも無く、眼の合った私に声にもならない位弱々しく、



「。。。お、、ちゃ、ご、、な、ぃ」



 と、涙を流した。。。

 フン。バッカじゃないの?良いザマね。。。どうしてだろう?何だがとっても、イライラする



 頭が痛くて、気分が悪くてイライラして、ムカムカして

 今すぐあの魔法少女クソナメクジを。。。塩対応してやりたいブチ殺したい



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