第21話 お節介なんか大っ嫌ぃ!



『冷酷なる女王の足枷・紅(アイシクル・バインド・クリムゾン)』



 地面から伸びた無数な紅の氷薔薇ひばらは、逃げ惑う魔法少女ゴキブリ達の足に次々と絡みつき、たちどころに凍らせる。

 コレは無理に逃げようとすればお姉さんだったら容赦なくその足が多分使わない砕け散る。。。そんな魔法。


 まぁでも、コイツらみたいな罪深い魔法少女お姉さんの足を引っ張ったゴキブリ達には凄くお似合い。自分の足も無くしちゃえ引っ張ればいい。


 コイツらの罪は、弱いこと。まだ死んでいないこと。そして、魔法少女であるという叶わぬ夢に手を伸ばしたこと。

 私は私のお姉さんに足手纏ったメガネに傷を付けたコイツらを、一人だって逃し生かしはしない。。。




「フフフ。。。フフフフ♪氷のお花、綺麗。。。フフ♪

 ほら、サッちん観てみて?ウフフフフ♪

 ねぇ、ねぇってばぁ~、サッちんまだ寝てるの?もぉ〜、こんなとこで寝ちゃダメなんだよ?フフフフ♪」




 魔法少女ゴキブリ達が我先にと逃げた中、この眼鏡だけは動かなくなった友達半分になったツインテールをただただ撫で続けていた。何が面白いのか?満面の笑みを浮かべ独り言を口にしながら、淡々延々と。。。


 ずっと前から、そうだった。


 私はこの小さい方の眼鏡ッ娘のことが、やけに煩くて、変に殺したくて疎ましくて、何となく嫌い殺したくてで、ウザくてウザくて殺したくて堪らなかった。。。

 だから決めたの、委員長のことは一番真っ先にに殺してあげるって。


 眼鏡が私に優しくしてくれたように同情も慈悲も時間もかけず、一太刀で一番初め今すぐに。。。




お節介メガネ委員長。。。さようなら♪」




 掲げたを振り下ろす、その時だった。




「。。。みこちゃん?みこちゃん?

 そないなことしたら、したら、したら、アカン、アカン、アカン、アカン、よ?よ?よ?」


「。。。イ、イヤ。ヤメテ。。。私の、中で。。。しゃべらないで。。。」




 突然私の頭の中で、強烈なエコーが掛かったみたいな声がした。さらにその声は、刀を持って真っ直ぐ立って居られないほどの目眩も連れて来る。




「あれれ?ミコちゃん?フフフフ♪

 こんな所で何してるの?だよ?小学生が、こんな時間にお出かけしたら!フフフ♪

 あ!でも朱美達もミコちゃんとだから、とやかくは言えないね!クフフフ♪先生には、内緒だよ?♡」




 違う!。。。みこは悪く同じじゃない。

 みこはただ、お姉さんの足を引っ張った私のメガネに手を出したコイツらに。。。


 私にニッコリと笑い掛ける委員長未だ首の繋がっている眼鏡は、いつも通り優しウザかった。

 辞めろ!私にソレ以上話し笑い掛けるな、今すぐその偽善者面お節介を辞めろ。。。




「あ!そうそう、聴いてミコちゃん!

 チコちゃんね、サッちんのお家で飼える事になったんだ♪だから二人でチコちゃんをお迎えに来たんだ。。。

 けど帰ろうとしたら。。。

 怪人の人がたくさん現れて、私達捕まって。。。私達はデザートだからって、小屋の中に閉じ込められてたの。。。


 それでね。。。お外から、女の人達の悲鳴が沢山聴こえて来て。。。怖くて怖くて怖くて怖くて、アハハ、アハハ、アハハハハハ♪


 戻って来た怪人の人が、サッちんに酷いことしようとしたの!でもそしたら、チコちゃんがね!なって私達を助けてくれたんだよ?♪

 バリバリ、ムシャムシャって怪人の人をみ〜んな食べちゃったの♪ついでに助けに来てくれた、魔法少女お姉さん達もみ〜んなみ〜んな。。。凄いでしょ?ウフフフフフ♪


 でもね、気絶しちゃったサッちんが未だ起きてくれないんだ。。。サッちんのお家、あんなに大きくなってもチコちゃんの事飼ってくれるのかな?

 。。。ねぇ、ミコちゃんは



(煩い、煩い、煩い!お願いだから、もう喋らない死んでで。。。)



 ところで、ミコちゃん。

 ミコちゃんは、どうしてそんな魔法少女猫のエサみたいな格好をしているのかな?クフフフ♪」




「私を!気安く魔法少女なんて呼ぶなあんなヤツらと一緒にするな!!!」




 私は目眩とお姉さんの邪魔メガネの制止を振り切り、委員長お節介メガネ黙らせようもう一度殺そうとした!




「みーちゃん!そんなことしたら、ダメだぞ?♪」



 嘘。。。お姉、ちゃん。。。?

 でもダメだった。。。お姉さん大きい方の眼鏡ならまだしも、お姉ちゃんにまでダメって言われたら。。。出来るわけ、なぃょ。。。



「お姉ちゃん、そんなことしようとする悪い娘は嫌いになっちゃうぞ?」



 違う!違うの!みこは、命は。。。悪くないの!

 。。。。。。私の所為なんかじゃ、無い。。。


 委員長に言われ無くても、私は最初から気付いていた。ただ認めたくなかっただけ。。。コレは、全部。。。全部私の。。。。。。




お姉さん。。。ごめんなさい私に、一体何をした!!!




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