第20話 皆殺しなんか大っ嫌ぃ!



「チッ!」


「先輩にキスされたからって、あまり調子に乗らないで欲しいっスね!先輩のお気に入りは、アンタだけじゃないんスよ!」




 魔法少女ゴキブリは、意外としぶとい。

 あの小さな黒い悪魔本家本物ですら時に反撃飛翔し、最強と呼ばれたお姉ちゃんクリムゾン・ピーチをも戦慄させたのだから、それが魔法少女特大サイズともなればもっと気持ち悪いしぶといのは当然と言えば当然。

 私は紫色コバエを交えながら、ムカつき過ぎて吐きそうになっていた。。。


 本当だったら今頃、この紫色コバエ魔法少女達を囲う障壁ゴキブリホイホイ諸とも真っ二つになっているはずだった。。。


 なのにコイツは、まだ息をしている。

 私の斬撃をたった一度止めただけで、さも自分が優位に立ったかの如くドヤって、私の目の前に気持ち悪いムカつく顔を晒している。


 調子に乗るな。。。ですって?


 お前なんか、お姉さんのおっぱいだって吸ったことないくせに!!!!!!



 二度三度、撃ち合う中で確信した。

 コイツも、私が殺した魔獣のおこぼれ魔力の分配が在ったんだ。さっきまで殆ど空っぽだった紫色の魔力は7割ほどが回復していて、折れていたぶら下がってたはずの右腕も問題なく動いて回復している。




「ロリッ娘。。。アンタがもっと早く来ていれば、アンタが!もっと早く本気を出してくれていれば!先輩は。。。先輩は!!!」


「。。。」




 紫色コバエ攻撃鋭さ怖さは無い。攻撃というよりも、八つ当たりみたいに単調。槍なのに、力任せに叩きつけてくるだけ。。。

 もしかしたらコレは、私とお姉さんのキスに嫉妬してるだけなのかもしれない。。。


 私、魔法少女ライバルと戦うのってもっと苦戦ドキドキするものだと思ってた。でもこれじゃぁ、さっきの臭い毛玉の方が全然マシ。



「ロリッ娘!先輩の手前、アンタの行動には目を瞑って来たっスけど。もう限界っス!スミレがアンタに引導を渡してやるっス!その非道なる蛮行も此処までっス!!!」


「。。。」


「フフ♪どうしたっスか?鬼の様に斬り込んで来た割には、大したことないっスね?

 もう終わりっ、ガハッ!。。。あ、グ。。。」



 紫色コバエの言う通り、もう終わり。

 この程度の相手、魔法を使うまでもない。。。

 私はもう一度だけ斬り結び、お姉さんの杖借り物の刀を受け止めて良い気無防備になっていた、紫色雑魚股間女の子の部分を思い切り蹴り上げてやった。

 男の子レベルとまではいかないまでも、身体強化状態の蹴りをまともに喰らえば、女の子だって動けなくなる以上のダメージは簡単に入る。だって、お股急所だもん。

 それが魔法のスカートとただのスパッツパンツだけなら、特に。

 ていうか、戦いながら障壁も張って無いなんて論外。。。雑魚と言うか、単なる馬鹿舐めプ




「私がもっと早く来ていれば?

 フン。自分達が速く死んでいれば、の間違いじゃない、の?

私と、お姉さんの、強さ、なんて、たいして、変わん、ない!

 アンタ達が、居な、ければ、お姉さんは、あんな、ことに、なるわけ、ないんだから、全部、足手纏った、アンタ達、魔法少女雑魚どもの、せい、でしょ?」


「ゲェェェェェ。。。ガハッ、ゲホ、ゲホ。。。ヤベテ。。。ヤベテょ。。。」




 私はお股を押さえて悶える、紫色の気持ち悪いムカつく顔面を思い切り蹴った。

 それから何回も、何回も、お腹も、背中も、お尻も、足も、泣きながら小さく丸まって必死に止めてとお願いされても止めなかった。

 流石にゲロまみれになった時は、止めようかなバッチィ!と思ったけど。その隙に今さら障壁を張ろうとしたから、もっともっと強くたくさん蹴ってあげた。


 ダメだ。。。全然足りない。。。


 しばらくして、紫色は全然動きも呻きもしなくなったけど、私のイライラは晴れることはなかった。。。


 むしろ逆に、イライラする。


 どうしてだか、魔法少女ゴキブリをボコボコにしてスッキリするはずなのに、私の中の怒りは治まる処か激しくなってるようにも感じた。。。雑魚過ぎる。


 そうだ。。。先にアッチのから殺そう!



「「「キャーーーーーー!」」」



 私が障壁を一太刀で切り裂くと、中の魔法少女ゴキブリ達は巣を暴かれた本物みたいに、我先にと逃げようとした。



 フフフ♪逃がすわけないでしょ。。。?

 だって魔法少女ゴキブリは、一匹残らず殺さ駆除しなきゃいけないんだから。。。。。。

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