第16話 青春なんか大っ嫌ぃ!




「アカン!スミちゃん、自分の命をそんな簡単に投げたらアカンよ?

 魔法少女かて、普通の少女女の子なんやから。。。居らんくなったら哀しむ人が居るんやから。。。

 どんなにカッコ悪くても、手足の一本や二本千切れても最期の最後の際期まで命だけは自分から投げたらアカン。。。」


「イヤっす!!!だったら先輩だって!先輩にだって、」


「ウチは、もうええんよ♪

 ウチに家族は、もう居らん。ウチが死んでも哀しむんは、全然言う事訊いてくれへん可愛い後輩と危なっかしいけど本当は甘えん坊さんな、可愛い可愛い義理の妹ちゃんしか居らんのやから♪

 まぁ、みこちゃんはお姉さん居らんくなっても泣いてくれるかは分からんけどな♪」



「。。。。。。イヤっす。先輩が居なくなったら、スミレは、スミレが。。。」



「スミちゃん、ありがとうな♪

 スミちゃんが慕ってくれるお陰で、学校行かれへんやったウチも先輩になれた。


 みこちゃんも、ありがとう♪

 みこちゃんがイヤそうやったけど、一緒に住んでくれたから。。。お姉さんって呼んでくれたから、久しぶりに家族の温もりを人の暖かさを思い出せた。。。。。。


 桃のことは、、、ホンマにごめん。

 せやけど、ウチに教えられるはもう全部伝えたから、みこちゃんならウチなんかよりもきっと上手く出来る♪桃には上手いこと、言うといて?

 そして、任せといて!なんて言うときながらこんな無様に下手こいた、勝手で嘘吐きなお姉さんを許しったてな?」



 。。。は?



「ダメっス。。。絶対、ダメ。。。。。。」


「スミちゃん?後輩を護るんは、先輩の務め。

 最後くらい、先輩ウチの言う事ちゃんと訊いてな?♪


 。。。ほら!せっかくお姉さんが格好つけてるんやから、ウチが泣いてしまう前に早よ行って?早よせな、あの魔獣のご飯が終わってしまう!」




 紫色コバエと私に向けられた、少しだけ哀しそうな寂しそうないつもとはちょっぴり違う笑顔。

 眼鏡ッ子お姉さんサファイア・アイシクルは、何かをやり切った様にも見えるそんな表情を浮かべていた。。。虚勢を張り、再び刀を地面から抜き取ったその背中は何だかお姉ちゃんの後ろ姿を見ている様な?懐かしさみたいな変な感じ。。。




「。。。先輩、先輩、せんぱぃ。。。。。。」




 。。。フフ、フフフフ。

 アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。


 て言うか、何二人で勝手に盛り上がってんの?

 こんな下手でクソなお芝居なんか私に見せて、一体何がしたいのかな?


 あ!コレがお姉さんの言ってた『普通の女の子青春』ってヤツなの?♪。。。プフッ!キモ!マジキッモ!


 何が先輩?何が家族?バッカじゃないの!?

 私は一度だって、お姉さんアンタお姉ちゃん本物と思った事は無い!

 だってただ利用していたなんだから、ここに来てるのも本当にただの気紛れでしかないんだから!!!何勘違いしてるの?何勝手に悲劇のヒロイン気取ってるの?。。。。。。何で勝手に、命を独りぼっちにしょぅとしてるの。。。?


 本当つくづく魔法少女ってバカばっか!本当クダラナイ!

 あーもぉ!!!本気でイライラするなぁ!!!!!!




「。。。気高く燃ゆる炎の番人よ、汝が護りし煉獄の炎を我の手に。燃えろ燃えろ、爆ぜろ爆ぜろ。森羅万象悉く、紅き爆炎の中に散れ」


『煉獄煌炎・紅(エクスブレイズ・クリムゾン)!!!』


「みこちゃん!!!?」




 限界を迎えた私の魔法イラつきの矛先は、黒い影になど向きはしない。

 それは、お姉さんの後ろで引きこもって助けられるのを待っている邪魔な足手纏いどもに向けた、ただの殺意。。。


 は?何も深い意味なんてモノは無いわ?

 だって、本気で殺したくなっちゃったなんだもん♪



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