第15話 足手纏いなんか大っ嫌ぃ!





「。。。みこ、ちゃん?」



 困惑、驚き、絶望。

 私を観る魔法少女ゴキブリ達が一様にそんな表情間抜け面をしている中。

 コッチを一瞬だけ向いたお姉さんメガネだけは、とても哀しそうな顔をしていた。


 フン。あれだけ師匠ヅラしてた自分の不甲斐なさを私に見られて恥ずかしいの?♪序列第一位現最強の癖に本当ざまぁ!いい気味♪



(ムチャ!ボリボリ、ブチブチブチ。。。)



 多分、こんな感じの音だった。

 お姉さん魔法少女怪人雑魚どもと睨み殺し合っていた黒い影は、突然降って来た私のこと雷の矢など気にも止めず。何事も無かった様に悠然と、足元に転がる死体生ゴミを喰らい始めている。

 ただ中断された食事を再開しただけのソイツには、怪人や魔法少女の区別は無く。多分どちらもただの肉にしか見えてはいない。




「なんで来てしもうたん!って叱るべきなんやろうけど。。。みこちゃん、来てくれて。。。ありがとうな♪」


「。。。別に、。。。偶々通っただけ。。。だもん」




 いつもの眼鏡越しの笑顔偽善者面

 けれど、浅くて速い呼吸、額に浮かぶ大粒の汗、地面に突き立てた刀でやっと立っているだけの身体に、殆ど使い切っている魔力と、肩の少し下から先の無くなった左腕。。。本当バッカじゃないの!!!?

 こんな足手纏い生ゴミ供なんか気にしてるから、こんな無様なことになるんだ。どいつもこいつも、本当に魔法少女なんてくだらない!バカばっか!


 私の殺気の隠った視線の先。

 お姉さんの背後障壁の中魔法少女 生ゴミ達に、使えそうなのは一人も残っては居なかった。全員が戦闘不能な訳では無い。中には無傷そうなのも居る。

 けど一人を除いて、他の動けそうな魔法少女生ゴミ達全員の心は折れている。抱き合い泣いているゴミ、震えながら祈る様にただコッチを見るクズ

 そして、へたり込み自分の膝に顔を伏せるツインテールの頭をあやす様に撫でながら、ずっと何処か明後日の方を見つめ薄ら笑っている。。。眼鏡?


 障壁の一番後ろ。使えない魔法少女フリフリ供に混じっていた一般人普通の眼鏡は、昨日から行方不明になっていた小さい方の眼鏡ッ子委員長だった。


 でもアレももうダメ、心がんでいる。


 だって、委員長がずっと優しく撫でている膝に顔を埋めているツインテールには、もうテールの部分下半身が付いていない。。。眼鏡委員長はそんな友達生ゴミの頭を、機械みたいにただ撫で続けているだけ。あの眼鏡にはもう、現実なんか見えはしない普通の心は戻って来ない



 そして唯一心の折れていない、私をずっと涙目で睨んでいる紫色の魔法少女このコバエも使えない。

 広域展開している結界魔法と他のゴミの為にお姉さんメガネ一緒二重に張っている障壁の所為で魔力がほぼ空っぽな上、力無くぶら下がる右腕は多分折れている。

 あ、でも生き餌位にはなれるかな?




「みこちゃん、ウチがアイツを引き受ける。

 そやからみこちゃんは、スミちゃんと皆を安全なところまで逃したって?」


「。。。」


「ダメっス!!!先輩はもう限界っス!囮だったらスミレにも出来る。。。だから皆は先輩が」




 なんだ♪コイツこのコバエ、実は自分の使い方よく解ってたんだ。


 私だったら迷わずそうした。自分からヤルって言ってるんだもん、止めるも助けるい。けれど、お姉さん委員長メガネ多分絶対そんなことはしない。。。何故?それはお姉さんが、魔法少女優等生だから?


 だったらこの足手纏い達を殺したくて殺したくて、ずっとウズウズイライラしている私は一体何て呼ばれればいいのかな。。。?












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