氷碧色の魔法少女
第6話 魔法少女なんか大っ嫌ぃ!
「ただいま。。。」
空の端っこが明るくなってくる頃。
今日も私は真っ暗なお家に帰って来る。当然、お姉ちゃんからのおかえりは返って来ない。
「お姉ちゃんあのね、私今日は6匹も害虫駆除して来たんだよ♪新記録だよ?スゴいでしょ?♪
でもね、邪魔なゴミがたくさん居てねちょっとイライラしちゃった。。。
ん?なぁに?お姉ちゃん?。。。え!?ご褒美にギューってしてくれるの?♪ヤッタァ♪えへへ、お姉ちゃん大好きぃ♡」
そして身体に着いた返り血を綺麗に洗い、お姉ちゃんが先に眠っているベッドに潜り込んで今日の成果の報告をする。
この瞬間が私の一番好きな時間、私が唯一安らげる時間。大好きなお姉ちゃんのイイ匂いに包まれながら眠る今だけは、ただの女の子でいられる。そんな幸せな時間。
「やれやれ。。。死体とおママごとだなんて、命っちも大分アレな魔法少女になっちゃったね?」
「ウッサイ、私を魔法少女って呼ぶなって言ったよね?。。。輪切りにされたいの?」
「オオ、怖っ!まったく、君くらいなんだからね?魔法の力でこんな幼気な妖精を脅すのは」
そう。。。
私のお姉ちゃんは2カ月前に死んだ。
でもそれは、ただ動かなくなっただけ。
ただ息をしなくなって、心臓が動かなくなっただけ。
けど全然冷たくも無いし、硬くもない!
くっついたら良い匂いだってするんだよ?なのにどうして燃やさなきゃいけないの?バッカじゃない?
私が魔法少女になって最初に使った魔法は、幻惑の魔法だった。
それで私からお姉ちゃんを奪って行こうとしたゴミ達を、片っ端から追い返せたのだから魔法少女も思っていた程悪くは無かった。
悪くはない、でもだからと言って簡単というわけでも無い。
いくら魔法少女になったと言っても、アニメみたいに皆が最初から
ちなみに私は怪人を狩れる様になるまで、1カ月もかかってしまったのだが。。。私のお姉ちゃんは、一週間くらいでもう楽にボッコボコに出来ていたらしい。
それを聴いた次の日、私は小学校を辞めた。
************
「お姉ちゃん、行ってきます。。。」
そして今夜も私は、狩りに出る。
獲物を求めて、いつもの鉄塔の一番上に登る。私が夜に働くからって、別に怪人達が夜にしか現れないというわけでもない。
アイツらは昼夜を問わず、こっちの事情も関係なしに好き勝手している。お陰で私のお姉ちゃんは、遠足とか修学旅行にも行けなかったし、学校の途中で居なくなることも多かった。
そのせいで、苦労して受かった高校も1年で辞めなくちゃいけなかったんだから、魔法少女と少女の両立はとても難しいものなのだと私は知っていた。
そして私が夜勤を選んだ一番の理由、それは。。。
「あっ!居たっス!先パ~イ、居たっスよ~?」
「ほんま~?あ!ほんまやね?
ありがとぉ、流石はスミちゃんやね♪夜目が良う利きはるわ!」
こんな風に他の
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