第7話 闇の共鳴と愛撫

その彼の大事なワンちゃんのエピソードと前後するが


私と彼は出逢って、すぐ、もう機械上のやり取りでも


熱いメッセージをやり取りして、まるで本当に肉体を混ぜ合わせている様な


感覚に陥り、一日に多い時に三度は、言葉の愛撫の交わりに、やり取りに没頭していた。


特に、彼の方が興奮していた。


私は、実は、その時未だ処女だった。


彼にも告白した。


病の事も。実は心身症の様なものを、もうずっと患っていると。


彼は、全て受け入れてくれた。


私に逢いに行きたいと、おずおずと、まるで、十代の少年が


まるで初めてのガールフレンドにでも、言うかのように、初々しく言ってくれた。


私は内心、こんな年上で病持ちで、輝かしいキャリアも取り柄もない、私に、何故?と、少し、想って居た。


ロマンチストの彼は、その様子をまるで映画のワンシーンの様に、語った。


「まず僕達は、君の部屋で、ディナーを食べる。そして素敵な音楽をかけ、一緒に躍り、そして朝まで君のベッドで、愛し合う。君の中に僕のものが、入った侭、抱き合って眠る、朝まで、そして・・・」


私の部屋は狭いアパートの、ワンルームよ。


しかも、子供っぽくて、ムードも無くて、狭くて、恥ずかしい。


そう言ったけど、心は嬉しかった。とても。愛されている歓びで、満ち溢れて。


こたつで、寝ているのは、布団だとは、言えなかったけど。


例え、未だ本当の彼が見えずに


本当に彼と言う人格を、愛してるかさえも、未だ曖昧で、自分でも分からずに


淋しさを埋めてくれる人、私を必要としてくれる人、私の言葉上の愛撫でも、悦んでくれる人、でも。


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