第5話 愛の夢と闇

彼のホームを見ると、イタリア人である事は、間違いなさそうだった。


書いてある言葉は、英語、若しくは、イタリア語。


顔は、恐らくイタリア人の無名モデルの写真だろうと、


後から思った。


イタリアの芸能界など、全く持って知らないのだけれど。


辞書を引き引き、拙い英語でやり取りするうちに


プロフィ―ル通り、


イタリア北部の、トレンド発信で有名な都市で


建築家、をしている様だった。


でもちょっと、英語で書かれたそれは、少しの怪しさも漂っていた。


ボロボロに疲れ切って、淋しくて堪らなかった私は


つい、嘘でも彼の優しい、甘い言葉に、縋ってしまった。


前後は、忘れた。でも、喧嘩したり、離れたりしながら


機械上のメッセージでも


彼との愛のやり取りは


エスカレートして行った。

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