冬眠中断 ~湧き上がるうぞうぞ~
仕事が忙しくなるから前回で一旦区切りをつけて冬眠(完結)したんですけど、忙しくなるはずの仕事がこの1週間ほど恐ろしい程暇になり、このままじゃ「ぼーなす」どころか逆に「人員削減」になるのでは……((((;゚Д゚))))と震えております。
なのでしれっと再開してみました。またすぐ二度寝に入りますけど。
つい先日。そろそろヒガンバナに「ハマオモトヨトウ」でも来てないかしらと植え込みを覗いておりますと、その根元に何やら灰色っぽいものが動いていました。
よく見るとそれは小さい生き物。密集してうぞうぞと動いておりました。
「ああ、ケバエの幼虫だな」と、今でこそ冷静にみられるようになりましたが……
初見の時の体感温度の下がり方は半端なかったです。
ケバエとはなんぞやと言われても上手く言えないんですけど、まあそういう虫がいるんです。成虫は全身黒くてよく見るハエよりスタイルよくて細長くて、ハエ目に分けられてるからハエの仲間です。
「どんな姿なんだろーー」と軽い気持ちで検索すると涙目になりそうな写真が出てくるから気を付けてください。
幼虫はとんでもない大集団で、秋口に地上に集団出現します。ハエの幼虫ときくとつるんと丸っこいウジを連想すると思いますが、ケバエの幼虫は違います。
1~2センチくらいの細長い幼虫で、釣りに使われるワームちゃんみたいなフォルムなのですが、毛のようなものがぴょんぴょんと生えています。
それもケムシみたいにもさもさと密集してるならまだ可愛げ(?)もあるかもしれませんが、根元から1本1本確認できるほど生え方がまばらで若干天パーぎみにくねくねしているため、なんだか恐ろしい生き物に見えます。
実際は毛ではなくて、皮膚の一部が突起になってるから棘って言った方が正解なのかな。
はじめてお目にかかったのはもう10年くらい前。公園脇の道路のアスファルトがひび割れていて土が見えており、その隙間から100匹くらいいそうな大集団が表面に湧き出て、うぞうぞぞとひしめく姿でございました。
自転車で轢きそうになって慌てて避けたのですが、あまりのおぞましさに返って見入ってしまいました。
今回庭で見かけたのはそれより少ない集団でした。皆頭を土の中へ向けてお尻の方を外へ向けています。そっちが頭と勘違いされるほど、目に似た模様がお尻の両脇にあってひげもあるし、まるで「どじょう」のような表情にみえます。
1匹引っ張り出してみると棘はふにゃふにゃしていて、ハエの幼虫だからか蝶蛾のように手足らしきものはありませんでした。頭だけ色が違って、そこだけ見れば他のイモムシと特に変わりはなく見えます。 そのあと2時間後に見たら全く姿が見えなくなっていました。どこかへ行ったのか、また潜ったのかな?
この幼虫、成虫ともに、毒もないし刺しもしないし全くの無害なんです!!これ大事!! あ、いくら無害と言え、触った後はちゃんと手を洗いましたからね。
彼らは土の中で落ち葉や腐敗した植物なんかを分解する役割をもっていて、ミミズと同じくらい土にとっていい奴だと思っててください。これが発生したからって不潔なものが溜まってるとか、死体が埋まってるとか、病気が広まると言ったことはないんです。
うちに発生したのも、多分柿の葉っぱの落ち葉が沢山あったのと、ぶじゅぶじゅになった柿をそのまま放置していたからだと思われます。彼らが居なかったら落ち葉も積もるだけ積もって、腐った実も変な臭いをいまだに放っていたかもしれない……。
なのに「見た目が不快だ」「キモい」というだけで「不快害虫」という失礼な区分に入れられちゃってるのがどうも悔しいところです。
大体は正体不明だから怖いという心理から来ているんでしょうけど、今知ったからもう怖くないよね!
でもなんだってあんなに密集するんでしょう? 餌になるものは限りなく周りにありそうですが、あんだけ頭数居たらポジション取りのほうが大変そう。
どう頑張ってもイメージアップにつながる特技やチャームポイントは挙げにくい虫ではありますが、こうして生態系の一部を支えている重要な存在なんです。
縁の下ならぬ土の下の力持ち。好きになれとは言わないけれど、見たらキンチョールぶっかける前にこの話を思い出して、存在くらいは認めてあげてください。
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