甲虫シリーズ その5 綺麗だけど……

 またカナブンかよとお思いの方。



 今回は違うんだなー。残念でした。



 本当に甲虫という言葉の意味を成してきました。




 先日、いつもなんか面白いものがいないかと覗く公園へふらっと寄りました。とお目に見て何やらキモイものが木の幹からびっしり出ており、近寄ったら全部茶色いキノコだったという結果でした。サイズも成長もばらばら、クヌギの木の割れ目にニョキニョキ……小さいのはかなり気持ち悪い。

 まあきっと毒でしょうから放置です。


 そんな中、ふと地面を何かが歩くのが見えました。目で追うと紫色の光沢を放つ甲虫が!


 背中には縦筋が均一に入っていますが、胸部はつるつるピッカピカ。サイズ感はカナブンと同じか一回り小さい感じ。

 うわぁ綺麗~と手を出しかけました。しかしそこで在るコトバを思い出しました。



「糞虫」



 です。くそむしっていうとなんだか悪口みたいなので、ふんちゅうと読んでください。間違っちゃいないけど。

 読んで字のごとく、うんこを食べる虫です。見た目は綺麗かもしれませんが、これは素手で触るのは素人は危険だと思い、写真だけ撮りました。

 が、家に帰って見返したらブレブレ! 相手の歩く速さは結構早く、つやつや紫だというのは分かる程度に撮れたんですけど背中のシマがやや不鮮明。チッ……


 

 この糞虫、奈良公園ではものすごい重宝されている虫です。毎日毎日、大量に排出される鹿の糞をきれいに掃除して景観を保ってくれているのは彼らのお陰。

 そしてその色のバリエーションもかなりあるようです。私が見たのは紫でしたが青が強いやつ、赤が強いやつ、黄みの強いと個性豊か。

 奈良公園はその種類も豊富なのだそう。今度奈良に行ったら鹿も見たいけど地面にも注目してみたいと思っています。

 鹿は広島の宮島でお会いしたことがあります。あそこにもオオセンチコガネたちのような分解者がひっそりと活躍しているんでしょうか。




 このへんだとそれこそハクビシンや狸、その辺の猫やネズミの糞を食べているんでしょうかね……

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