葉っぱの上の迷路
ミカンやカキの葉っぱ、またそれ以外の、広葉樹の葉っぱの表面に「うねうね」と迷路のようなものが出来ているのを見たことないでしょうか。
私は最初ナメクジやカタツムリが食べた後かと思っていたのですが、葉の中に入り込んでくらすイモムシがいることを大人になって知りました。
みかん系なら「ミカンコハモグリ」(ミカンハモグリガ)、柿なら「カキホソガ」といて、この「ハモグリガ」の種今は知られている以上に未知種がいるというから驚きです。
あまりにも小さい幼虫で興味薄かったのですが、また柚子の伸びすぎた枝を切ったらアゲハちゃんがついていて、せっかくなので枝ごとお迎えしたらおまけで数匹ついていました。
葉の薄い表面の膜の内側を削って食べているようで、そのトンネルがうねうね迷路の正体。ゆずに居るからミカンコハモグリの仲間でしょうね。
この幼虫の食べた痕跡にちなんで「エカキムシ」「ジカキムシ」なんて呼び名もあるくらい独特の模様を刻みます。実物見てて思ったんですが、模様によっては「いろは坂」とか「鈴鹿サーキット」を上からみているようにも見えるなーなんて。
若い葉っぱについてしまうと枝の成長が悪くなってしまう、まれに実についちゃって表皮に迷路を刻まれてしまうと見栄えも良くなく、農作物として育てているところでは害虫あつかいです。
見つけた幼虫は、某CMではありませんが「小さすぎてみえなーい!」と言いたくなるくらい小さい! 大きくなっても1センチにも満たない、めちゃくちゃ細身の幼虫です。
葉のなかに居る時にあまり活発に動いているところを見たことが無いのですが、時間空けてみると距離が伸びていたりするので、ちょっとずつちょっとずつ掘り進めているんでしょう。
糞はどうしてるんだろう。トンネルの中にするんですかね、たまに茶色い部分があるのですが葉がかじられて変色したもんなのか、うんこなのか謎です。
あと、葉のなかに居れば、寄生蜂や寄生バエ、狩りをする虫に手を出されにくいんでしょうか。
蛹になるときは葉の縁へ向かうようです。トンネルを辿っていくとかならず葉のふちに行き当たり、その縁がちょっとだけ折り曲げられています。どうやら葉をつづって蛹になる部屋を作っているらしい……。
幼虫も小さいので、蛹も小さい。その葉の折り目というのも、アイロンがけしててシャツやハンカチの端が「ちょっと折れちゃった」みたいなわずかな折れです。
中身が気になるので開いてみようとしたら、これがまたしっかりくっついてて開かない!! 別の個体でなぜか新芽の表に居たやつが、糸を出して新芽同士をつづっていました。こんな小さいのに結構しっかりした奴。なのでこれも頑丈に糸でつなぎ留められているんだと思います。
あまり無理に開こうとすると、小さ過ぎてつぶしちゃいそうだからやめました。
産まれたばかりのアゲハちゃんたちが(3匹いる)彼らのいる葉っぱをちみちみ浸食し始めてきたので、さてこの後どうなるやら。
もし幼虫同士遭遇してしまったらどうなるんだろう。あとコハモグリの食べあとがついた葉っぱでも気にせず食べるのでしょうか。
ちょっとどうなるか見てみたいものです。
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