音痴くん
キジバトの鳴き声はなかなか文字にしにくいのですが、よく「デーデー ポッポー」 と表現されます。
駅にいる鳩より小振りの、赤っぽい羽の色に顔の丸っこいかわいいやつ。リズミカルによく鳴いています。冬はあまり聞かないな。春から夏のイメージ。
2~3年前くらいでしょうか、何だか変な鳴きかたのやつが現れました。
朝早く裏の家のアンテナの上で鳴いていたのですが、その歌の下手さで目が覚めました。
通常出だしの「デーデー」は低音。「ポッポー」はそれより高い音。
しかしその子は
「プオッポォー、 ポーポー! ポォッポゥー、ポーポー!」
ええーー!、思わずずっこけそうな出オチ!
最初から裏返った高い声が出ています。どこかから空気漏れてるよ! 後の「ポーポー」より出だしの音のほうが高い。
自分でも頑張って直そうとしているのでしょう。鳴き声が安定しません。毎度出だしが微妙に違っています。だから余計に不安定な音の連続になり、結果目覚ましになっちゃったのでしょう。うるさいなーと思いつつ笑ってしまいました。
初めて聞いたときは、きっとまだ子供でうまく鳴けないんだろう、と思っていたのですが、それが翌年になり、いつの時期でもいつまでたっても出だしの声が裏返ったまま。今年もそうだったので、もう空気もれする喉の構造で生まれてきてしまったんでしょう。
たとえ音痴でもその声が聞こえると、ああまだ達者でこの辺縄張りにして生きてるんだなあ、とどこか安心します。
それも立派な個性。ハト界でメスに好かれる鳴き声かどうかはわかりませんが、人間の私から見ればなかなかのキャラ立ってるナイスな子です。
いつか声が聞こえなくなったら心配になっちゃうな。
調べたら10~20年くらい生きるそうなので、長生きしてほしいものです。
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