甲虫シリーズ その1

 甲虫の話をしようかと思います。最初に断っておきますが、「その2」がいつになるかは私にもわかりません




 数年前の秋の事。公園横の道を歩いていたら、明らかに「甲虫」のイモムシが歩道に!

 あおむけになっていますが生きてはいるようで、もこもこ動いていました。

 なんでこんなところに?と全く理由が分からぬまま拾い上げます。

 ずんぐりした白っぽい体、鋭い顎。正直甲虫のイモムシは全く見分けがつかず、「もしかしてカブトムシかも、クワガタかも……」とドキドキしながら持ち帰り育ててみることにしました。



 しかし、手で持っているととんでもない強さでガブーーと噛んでくるのです。痛い痛い。

 噛まれるたびにつまんで引きはがし手の上に乗せるのですが、何をどうやってもあおむけになりたがります。ちょっとぽやぽや毛が生えています。


 なんであおむけになるんだろうと見ていると……

 脚はあるのに使いません。あおむけでそのまま背中で直進しだします。

 ほとんど左右に触れたり、あからさまなウェーブ運動はせず、かなり滑らかに進みます。蛇もびっくりの歩行の仕方。なんて器用!

 そもそも地上に居ることはない虫なので、あまりの珍しさに何度も歩かせていました。ごめん。



 土を敷いた容器に移すと、仰向けのままさらに反り返り、頭から潜っていきました。

 すっかりカブクワと思い込んだ私は、昆虫用の土を買ってきてそちらに移しました。


 2カ月ほどは幼虫のまま容器の中で暮らしていたようで、球状の糞らしきものが地表に数個みえました。へえー、本当に土食べるんだなぁ。

 幼虫は土を固めて作った蛹室を器用につくり、その中で数か月じっと眠っておりました。(羽化後に土を取り出した時発見。内装がお見事な土団子でした)




 どんな姿になって出てくるのかなー。わくわく。





 ・・・翌年6月ごろ。

 イモムシは立派な角もなければ顎もない、長方形の顔のメタリックなカーキ色ボディーの「カナブン」になりましたとさ。

 

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