第7話

「へぇ何となく、ね」

「はい」

「こんな治安の悪いところに?女の子一人で?」

「私はここをよく知っていますので」

「ふうん」


男性はそう言って、さらに私へと近づいてきた。それまでは2メートルほど離れていたのに今は50センチ程しかない。近くでみれば見るほど綺麗な顔・・・。

はっ、おちつけミオ。

「なんですか?」

「いや、面白いなって思ってね」

「頭大丈夫ですか?」

「ひどいなぁ、正常だよ」


ゴウと名乗った男は肩を竦めた。

「そうそう、今くらいだったよね?」

「なにがです?」

「就職時期だよ、SとCの」

「そうですね」


嫌な予感がする。

「君はC?S?」

「・・・Cです」


こういう時に限って当たるのなんでよ。人にランクを聞くことは普通なのだが、今は正直聞かれたくない。

無視するのもおかしいんだけど。

「もしかして新卒?」

「そうですね」

「就職どうだった?」

「あなたに教える義理はありません」

「つれないなぁ。でもその様子だと良くはなかったみたいだね」

「そうだったらなんですか」

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