第6話

綺麗な目の男性はうっすらと笑みを浮かべ私の方へゆっくりと歩いてくる。

空色の目に気を取られていたけど、男性の顔は言葉では表現出来ないほどに美しかった。

誰もがこの男性を見たなら言うだろう、なんて美しい人だろう、ここは現実かと。


「こんにちは、お嬢さん」

「こ、こんにちは」


挨拶されたら、返すという当たり前のことだ。

てか、めっちゃ美声だった。聞き入るほどに。

「お嬢さんはこんな場所にある公園に何したに来たのかな?」

「お嬢さんではなく、柚霧ユギリミオです。そちらこそこんな所になんのようですか?」


男性の美しい見た目に魅入ってしまい、考え付きもしなかったけど。普通の人が治安の悪いこの地区の公園にわざわざ来るとは考えにくい。

用心するに越したことはないだろう。


見た目に騙されてはいけない。物語でもよくあるじゃないか。


「あぁ、すまない。人に聞く時は自分から、だね。こちらも自己紹介をしよう。僕は四葉ヨツバゴウ。ここに来た理由は散歩してたら迷っちゃったからかな」

「そうですか。私は何となく、です」

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