第3話

月の遺産の本はとても興味深かった。

それを読めばこの現実を見なくても済むし。


でも、私はここから逃げることは出来ない。だって、私はCのみが通う学校を卒業したから、働かなければ行けない。


就職できたとしても、C5専用の部署に入れられるだろう憂鬱だ。


父と母は私を愛してはくれたが、考えを理解してはくれなかった。


学校に進めてもらった企業の情報を元に全ての企業の面接を終わらせた。

結果は明日だ。

正直自信はない、Cの中でも最低のC5はCの中では1番人数が多いランクだ。

特に私の年は酷い、昨年の1.5倍の人数だそうだ。しかも、私が面接を受けたところは全部倍率が3.5倍以上。私の成績は中の下、就職できる確率は半分以下だ。

「あぁ、憂鬱」


ミオは家のベッドに倒れ込み、眠りについた。


7時に設定したアラームが部屋に鳴り響く。

欠伸をしながらベッドから起き上がり、パジャマから普段着に着替えようと、タンスに近づく。

「赤系の普段着出して」


ミオはタンスの隣に置いてあるお手伝いロボット、アルに話しかける。

「了解しました、ミオ様」


たった、30年でAIが普及し、お手伝いロボットが発売された。

お手伝いロボットは料理、から子育てまでなんでもこなしてくれる。便利な機械だ。


今は、AIに人間的な感情や高度な学習能力を持たせようと研究されている。

連絡用端末を開き、結果を見る。

結果は・・・『不採用』。思っていた通り、全社不採用だった。

月の遺産の本には不採用通知をお祈りメールと読んでいたらしい。今は『不採用』のみしか通知されない、送っているのはAIだからか知らないけど。

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