【3】Ace May cry : Collapse day 5/5 (4)
合同庁舎4階は「市民食堂」と呼ばれ、市民、市役所県庁職員、議員が混じり合う「開かれた政治」の象徴だった。
そこは今、断絶の狭間になっていた。
「同志たちよ、悪魔の手先たる公僕を許すな!!」
「オタク絵を街に張り付ける街は女の敵、つまりは日本の敵よ!負けちゃダメ!」
「普通の日本人」たちは武器を持ち、公務員の後ろに居る「悪」を殺そうとし、それに対抗する公務員たちは食堂の反対側でテーブルを使ったバリケードを作って対抗しようとした。
幸い、公僕たちの敵はモップの先や包丁で武装しているものが主であり、火器や魔法を持ち出すものが少数だったのが幸いして、市役所、県庁の職員はテーブルで作り上げたバリケードでそれなりに対抗が可能だった。そこにフロアの銀行職員が加勢し、陽動で定期的に硬貨や紙幣を彼らに投げつけ、混乱を招く。
「いいぞ!押し返せ!」
年齢不相応の筋肉を振りかざしたこのフロアの課長が係を分隊に分け少しづつ「普通の日本人」たちの力を受け流し、彼らが怯むたびに前進する。閉所で数を生かせない「普通の日本人」たちは徐々に押し返され、もう少しで階から完全に排除できそうだ、という希望が彼らに湧いてきた。
「どいたどいたどいた!」
突然階段の下から図太い声が放たれた。どんどんどんどん、と何者かが会談を駆け上がってくる。
「やめて!やめて!助けて!」
少女の悲鳴が響き渡る。縄でグルグル巻きにされた少女だ。彼女は下の階に取り残された早期避難の選抜者だ。
「おらー爆弾三勇士のお通りだ!」
女を抱えるイルカの保護団体の法被を着た能面やペストマスクをした男達は勢いで接近し、「せーの」の掛け声で少女を役人達のバリケードに投げ入れた。
誰がその子のその後のことを予測できただろうか。下の口から胎内にねじ込まれたダイナマイトが爆発し、下半身は衝撃波と共に肉片として公僕達の背後を襲う。
それが合図だった。
「怯むな!突撃!」
「普通の日本人」たちは我先にとバリケードを突破して県庁職員と市役所職員の連合部隊に鉈や斧を振り下ろした。少女の下半身の炸裂に巻き込まれた課長を失った公僕のバリケードは統制を失い、ここに崩壊した。
「殺せ!殺せ!皆殺しだ!」
慈悲深い存在を自称し、敵には一切の慈悲はない「普通の日本人」たちは無秩序になったチームを分断撃破する。男達は容赦なく振り下ろされる刃の犠牲になり、その身体は血と肉のスープとなって四散した。そして多くが死を免れた女性たちも、それが幸せだったと言い切ることは不可能だった。
「おい、貴様!納税しに来てやったぜ!」
県庁の女性職員は下半身の逸物を顕わにした「普通の日本人」に囲まれていた。彼女は覚えていないが、男は税金が高いと何度もここに喚き散らしに来ては税制や計算方法をだますためのウソだと怒鳴る男だった。
「税金泥棒、ほら、銭コを払ってやるから喜べよ。」
「誰か……誰か助けて……。」
怯える女性職員は逃げようとした。だが、彼女を掴む男は逃げようとする彼女の後ろ髪を乱暴に掴み、そのまま顔を逸物に接近させた後、加えろ、と指示を追加した。
「俺は前から納税してやる、お前は後ろから納税だ。」
男たちは暴虐の嵐の中、女性職員を前から後ろから辱め、好きなだけ「納税」を開始した。
「嫌がってるようで、穴は正直じゃ無いか!」
「還付はいらねえぜ、嬢ちゃん。過払い分もな。」
男達は怯える女性職員の首を切り落とし、その身を次の男に引き継いだ。次の男は首を切って出来た穴に逸物を突っ込み始めた。
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