空に消えゆく風船のように――

ときどき、いると思うんです。

現実とあわいの狭間を、ふわふわと漂うように生きる人。
たいていは、とても“いい子”で。
でも、現実と彼らを繋ぎとめる糸が、どこか頼りなくて――
手を離したら、風に乗って空へ飛んでいってしまいそうで。

読み始めたら、目を離せなくなる。
そんな気持ちにさせてくれる、優しくて切ない物語です。