走っている時の脳内

ushiro.kowaiiiii

止まったら飲み込まれてしまいそう。

なんだろう…なんかこう、見えない恐怖に。

背中越しに悪魔でもいるみたいに。

僕は目的地までの道を全力で走り、

夢中になって向かっている時に、ふと気が付いた。

決して追い越しては来ないが、ずっと張り付いている。

自分が足音を二重に響かせているのに気が付いた。

怖いものがいる。

…本当は居ない。自分で分かっている。

僕自身の止まる事への恐怖が作り出した化け物。

止まるのが怖い。ずっと走っていたい。

足が痛んでも、息が苦しくても、面倒でも、

続けていたい。止まりたくない。

そういう強迫みたいな思いが作り出した。

僕は一度、止まったことがあった。

だからどうなるか知っている。恐ろしさを覚えている。

やはり化け物はいないのに、ちゃんと居る。

影法師みたいに、今日だってぴったりついてくる。