第27話 ひとりじゃないよ。

 不育症とは簡単に申しますと、子宮内で胎児が発育できない病気です。

私も24年前に不育症でした。何度も流産し手術を繰り返しました。

治療の末二人の子供に恵まれましたが、出産がゴールではないのです。


 流産を繰り返していた頃は何度も何度も自分を責め続けていました。

原因が自分にあることがわかると余計に自分自身を責め続け孤独と戦っていました。

出産後も目の前にいる子供が命を落としてしまわないかと不安にさいなまれていました。そう思い続けて22年。

 ここ1、2年位でようやく自分の気持ちに変化が表れてきました。

必死で子育てをして、ひと段落したところで色々な方のお話を聞き、友人たちと話していくうちに、自分が不育症を発症したのは生を受けることができなかった子供たちが私の病気に気づかせてくれたのだと自分自身を納得させることができました。

この考えに行きつくまで非常に長い時間がかかったのだけれど、それは仕方のないことだと考えています。その時間は自分にとって無駄ではなかったと。

必死になってる頃は人の話に耳を貸す余裕などなかったから。グーグル先生もいなかったからなぁ。その間に経験したことは山ほどあるのだけど、そのことが全部あっての今の自分だと思えるようになったから。

 今の自分は同じ病気の方の支援できるようにと勉強しています。勉強していくとより一層不育症という病気が不妊症よりも少数で支援窓口が少ないようにひしひしと感じます。誰でもなりうる病気なのに。

病名を知らないだけでなく、病名の文字だけで全く別の病気と理解する人も少なくありません。もっといろんな人に知ってもらいたいです。本当に。

 今現在、治療中の方たちには「ひとりじゃないよ。」と伝えたい。

私がきちんと支援できる立場になれたあかつきにはお話しましょうね。

ひとりじゃないよ。大丈夫。

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