第14話 うちのシャンプーどこいった?

ある日、風呂上がりの娘が私に聞いてきた

「お母さん、私のシャンプー使ってる?」

「いや、使ってないよ。なんで?」と、私はそう答えた。確かに使ってないからだ。

娘は、けげんそうな顔をして答える。

「私のシャンプーとコンディショナーが無くなるのが早いんだわ。この間詰め替えたのに、もう、少ないの。」おかしいねぇ。と、

2人で顔を見合った。

娘は、私に似てくせっ毛なのだ、小学校に上がる頃はクリクリのくせ毛で、小学校の頃からシャンプーにはこだわってきた。

高校生になった今頃やっと、シャンプーだけで髪の毛がいい感じに収まるようになってきた。私とは、髪質が違うのでシャンプーは、別の物を使っていた。

2人でちょいと考える。うちにいる後の2人は、坊主だ。旦那はスキンヘッドだし…と、思ったところで息子が風呂から上がってきた。


はて、息子の髪の毛がテラテラしている。

もしかして…

「ちょっと、あんた、姉ちゃんのシャンプー使ってない?」

「ん?あーあれ姉ちゃんの?めっちゃいいよね、しっとりするし、触った感じもすごくいいし、匂いもいいよ。」

ちょっと待て、お前の髪の毛は、何ミリだ?

3ミリだ!丸坊主の頭には、ボディーシャンプーでよくないか?シャンプーならまだしも、コンディショナーまで必要か?

しかも高いヤツ!

私と娘は、目が点になった。しかも息子は、いいでしょ?風にポーズまで取ってくる。

「えっ?ダメ?」と、息子は可愛げに問いかけてくる。

「ダメ!ありえんし!信じれんわ!」

娘は、怒りながら部屋を出た。

「姉ちゃん、ごめん。」そう言いながら、後を追いかけていく息子。

姉の怒りが身に染みたのか、それ以降姉のシャンプーを使うことは無くなった。


私のシャンプーも使ってみたが、合わなかったらしい。その後は、私が買ってきたリンスインシャンプーを仕方なく使っているようた。

坊主頭だから、それでいいんじゃない?

息子さん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る