第4話 土佐一条家と長宗我部家
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「汲みてこそ水はやさしきものと知る 流れの末に逢はんとぞ思ふ」
渡された歌を詠んだお雪は、兼定の意を知り、歌を返した。
「谷川の水はやさしきものなるに 君が情けをくみて知らるる」
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-憑依の刻-
「お主は!平田村のお雪かぁ!?」
椅子から立ち上がった少年は、鬼気迫る表情で雪に迫った。
「ど、どうしたの?勇くん!?」雪は、少年の豹変に驚いている。
「お主と殿が思い合っておることは儂らも知っておる。しかし、殿のことを思うのなら、せめて中村御所に...」
少年は、興奮した様子で言葉を続けようとしたが、何を言っているんだ?と首をかしげる雪の表情を見て、少年は落ち着きを取り戻した。
「すまぬ、取り乱してしまった...」と、こぼして、ちょこんと椅子に座った。
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靄がかかったような感覚を振り払うと、うっすらと意識が戻ってきた。
ゆっくりと目を開けると、雪がつぶらな瞳をぱちぱちさせながら首をかしげている。
さきほどとはうって変わって、おどおどした様子で椅子に座るぼくを見て、雪は冷静さを取り戻したようだ。気品ある容姿に似合わず、江戸っ子がまくしたてるように、言葉をぶつけてきた。
「どういうことよ!?急に逃げて!って、叫んだと思ったら、今度は、`お主は平田村のお雪か!`とか言っちゃってさ!?どういう意味なの?一体何があったの?」
一歩また一歩と距離を詰めてくる雪。ぼくは彼女の整った目鼻立ちを真正面から見るのが苦手だったが、雪が納得する説明をしないと、この場からは逃れられない。
ぼくの横では、申し訳なさそうな顔で侍さんが俯いているのだが、彼のせいだと説明しても、信じてもらえるはずがない。頭のネジがはずれてしまったのか、と疑われるのは避けたい。
そうなると、僕が取りうる選択は一つしかなかった。
「ご、ごめん、また今度説明するか…」最後まで言い終わらないうちに、脱兎の如く逃げ出した。
神社の脇の階段を下りて、路地の方に駆け込み、ガラガラの駐車場の縁石に腰掛けた。
「何してるんだよ?!」ぼくは侍さんに対して怒りの声をあげた。
「いや、儂はただ…」侍さんは、言い訳をしようとしていたので、ぼくは思いつくかぎりの罵声を浴びせかける。
「侍さんのバカ!髭もじゃ!生首!死にぞこない!へなちょこ侍!」
このへなちょこという部分がまずかったらしい。侍さんはこの言葉に反応した。
「へなちょこ?ザムライじゃと!?儂は一条家の家老で、儂のおかげで…」
しかしこれは、自分のプライドを見せつけてきているだけだ。NHKの朝の連続テレビ小説で松坂慶子さん演じる鈴が、「私は武士の娘で…」とムキになっているのと変わらない。
ぼくは自分でも驚くほどの声で、侍さんの言い訳を遮った。
「そんなことは聞いてない!さっきはなんで勝手に憑依したんだよ?!雪は敵じゃないのに…」
「それはじゃのう、あの娘にあまりに似ておったので、つい、昔のことを問いただしてしまった…」
「誰に似ていたの?」
「お雪、じゃ…」
「お雪?あの子の名前は`雪`だよ?」
「やはりあの麗しいお姿と、物事の奥まで見透かす二重瞼は、お雪じゃったか…」
侍さんは、雪のことを、お雪とそっくりだと言った。そういうことだろう。侍さんが生きていた時代に、雪とそっくりの女の子がいたのだろうか。
そんなことよりも、今は雪の誤解を解かないといけない。ぼくは侍さんをさらに攻め立てた。
「憑依したときに、ぼくの命の蝋燭はどうなってた?」
「心配するでない。勢いよく、轟々と燃えておったぞ。」
「それじゃあ、寿命が縮まっているじゃないか!
雪を怒らせるし、寿命は縮まるし、侍さんのせいでとんだ目に…」
「でも、儂のおかげで昨晩は命が助かったじゃないか…」
「昨晩とさっきのことは別だよ!雪は、ぼくにとって…」
ぼくは興奮しながら肩で息をするほど怒っていたのだが、侍さんはそんな様子をみて、薄気味悪い笑みを浮かべて言った。
「お主のその怒り方、もしや、お雪に惚れておるな?」
人間、図星をつかれると、言葉がすぐに出てこない。
「ほ、ほ、惚れてなんかないよ!」
「照れるでない。自分に正直になるのじゃ!」
侍さんはその風貌に似合わず、修学旅行中の女子生徒のように恋話をふっかけてくる。
「ぼくはまだ、14歳なんだよ?女の子と付き合ったこともないし、結婚だってまだ考えられないし」
「ほう。勇はもう14歳か。14歳といえば、元服の歳じゃなあ。」
「それは侍さんが生きていた頃の時代でしょ!?今の時代は…」
すると、侍さんは真剣な表情になり、ぼくを諭し始める。
「ずっと気になっておったがのう。
お主は、時代、時代、と時代のことを気にしすぎておるのではないか?」
「え?」
「大事なのは、自分自身じゃろう。周囲がどうであろうと、時代がどうであろうと、お主自身がどうしたいのか、どう思うかを考えんのか?」
「ぼく自身がどうしたいかなんて、すぐに思い浮かばないよ。なら、侍さんは何を考えて生きていたのさ?」
「儂は、主君である一条兼定様のために生きてきたつもりじゃ。先代の一条房基様の治世から、一条家を支えてきたからのう。」
「ぼくは、そこまで支えたいと思える人はいないよ。
ただ、周りの雰囲気、時代の流れに流されるまま生きているのかもしれない。
いい大学に入って、いい会社に就職して、母さんに楽をさせてあげたい。あれ、ぼくはいったい、誰のために生きているんだろう…」
内気で感情を外に出せないぼくが、自分の気持ちを流れる滝のようにさらけだすことができていた。侍さんもそれに気づいたようで、「そんなに話せるのに、なぜ学校では全く話せないのじゃ。」と質問してきたが、ぼくにその答えはわからない。
なぜ侍さんに対しては、自分の気持ちを素直にぶつけることができるのだろうか。
侍さんは、ぼくをからかってきた頃とは異なる優しい口調に戻った。
「なあ、勇。さっきは悪かった。許してくれ、このとおりじゃ。」
頭しか浮かび上がっていない侍さんだが、どうやら土下座をしている気分らしい。
「わかったよ。ぼくもムキになって言い過ぎた。ごめんね。
けど、ぼくに教えてよ。お雪さんのことを。」
「わかった。長くなるが、聞いてもらうことにしよう。
儂の主君は一条兼定様じゃと話したの?」
「うん。」
「一条兼定様の一条家というのは、本姓は藤原氏で、五摂家の一条家の分家なのじゃ。そして、関白の一条教房様が土佐に…」
「うーん。なんか難しいなあ。藤原家って、平安時代の藤原道長?」
「そうじゃよ。
わかりやすく伝えると、藤原家の流れをくむ名門の一条家が、応仁の乱を避けて中央からこの土佐にやってきたことから、土佐一条家が始まったのじゃ。」
「なるほど。京都の名門の分家が、大戦乱を避けるために、この高知県に避難したってことだね?疎開みたいなものだね。」
「そうじゃな。そして、初代の教房様は、土佐幡多荘の中村に御所を築いた。ここを京都に見立てて区割りを行い、四万十川のほとりにある中村の町は繁栄してゆくことになる。」
「へえ。ぼくらの住んでいるこの町は、京都のお公家さんがやってきてくれたおかげで発展したんだね。たしか、ぼくらがさっきいた一條神社のあたりに、中村御所が築かれていたんだよね。小学校の時に習ったよ。」
「そうじゃなあ。だから、儂も一条神社を先ほど訪れたときは、とても懐かしい気分になったのう。
さて、話の続きじゃ。
京都から土佐にやってきた土佐一条家は、その権威で周辺を付き従えた。そして、次第に武家化していき、土佐一条家は戦国大名となったのじゃ。」
「ふむふむ。」
「ただ、土佐一条家に暗雲が立ち込めたのが、天文18年の出来事じゃ。」
「天文18年?いつのことかわからないから、西暦で教えてよ。」
「西暦?それは明治時代から浸透しているのではないか?儂らの時代は、元号を使用して負ったぞ。」
「侍さんだって、時代、って言ってるじゃないか!」
「儂らは元号しか知らんのだから仕方ないじゃろう!!」
侍さんがムキになったので、ぼくは、スマートフォンで天文18年を調べた。
お年寄りと言い合うよりも、こちらが折れた方が早い。西暦になおすと、1549年だった。
「で、その天文18年に何があったの?」
「兼定様の父上にあたる一条房基様が、28歳の若さで自害したのじゃ。」
「28歳で、自ら命を絶ったってこと!?
その若さで、なぜなの?」
「それは家臣の我らにもわからん。
ある日、突然、房基様は自室で腹を切っておったのじゃ。
理由は狂気のためであるといわれているが、実際のところはわからんし、あの時は、家中が大騒動であった。
戦国大名のように領土を拡大していた振る舞いを京の一条宗家に疎まれて暗殺されたのだとか、敵国の西園寺家の刺客に暗殺されたのだとか、様々な憶測が飛び交ったのう。」
「へえ、大変だったんだね。でも、28歳の当主が亡くなったら、あとは誰が継ぐの?」
「それが、我が主君、兼定様じゃ。
兼定様は、そのときわずか7歳。その若さで、土佐一条氏の家督者として、動乱の世に身を処せねばならなかった。」
「7歳で家を継いだの?
7歳というと、小学校1年生だよ。そんな年齢じゃ。世の中のことが何にもわからないじゃないか。なのに、当主になるなんて、かわいそうだよ…」
「かわいそう。たしかにそうかもしれん。
勇は優しい感覚を持っておるのじゃなあ。しかし、それが戦国の世なのじゃ。」
「そうか。戦国の世は、甘くないんだね。
けど、ちょっと待ってね?
なんだか、土佐一条家の家系図がわからなくなってきたよう。」
「では、整理しようか。
土佐一条家初代当主が一条教房様じゃ。
応仁の乱を逃れて、京都から土佐にやってきた。
二代目が、教房様の次男の房家様。
三代目が、教房様の嫡男の房冬様。
四代目が、房冬様の嫡男の房基様。」
「あ~。もうわかんないよ!房だらけじゃないか!」
「これ!ご当主様たちを悪くいうでない!
とにかく!四代目の房基様が28歳にして自害してしまったので、嫡男の兼定様が7歳にして、五代目当主になったのじゃ。」
「けどさ、侍さん。7歳でお家の政務を取り仕切ることってできるの?」
ぼくの質問に対して、侍さんはどこかの解説者のような口調で答えた。
「いい質問じゃな。
幸い、三代目房冬様の弟である関白・房通様が、兼定様の養父となってくれたのじゃ。
房通様は京から土佐に下向して兼定様の代わりに政務をとってくださったので、土佐一条家の領国支配は安定していた。
しかし、その房通様も齢48で死去してしまい…」
「あー、もうややこしいよ…
ん?けど、ちょっと待ってよ。房通様も亡くなるのが早くない?
まだ48歳でしょ?」
「これも…いい質問じゃな。
儂らの過ごした戦国時代の寿命は、だいたい50歳と言われておったのじゃ。」
「そうなんだ。
たしか学校でも習ったよ。日本人の平均寿命が50歳を超えたのは、太平洋戦争が終わったあとだって。」
「そうじゃろ?さらに、寿命が長ければいいというわけでもない。
どれだけ、真剣に生きたかが、大切じゃからのう。」
ぼくはこの言葉をさらっと流すことができなかった。
侍さんは、寿命の長さではなく、人生の密度のことを言っているのだろうか。
からっぽ、と評されてきたぼくは、この14年真剣に生きることができていたか。
そんなことを考えているときにも、侍さんの説明は止まらない。
「房通様が亡くなった弘治2年に兼定様は元服し、土佐一条家の当主となる。この時、数え年で齢14じゃ。」
「14歳?ぼくと変わらないじゃないか?」
「昔は人生も短いからのう。齢14で元服する者も多くおった。
そして兼定様は、齢14で土佐一条家の家臣団を束ねていくことになったのじゃ。」
齢14で土佐一条家の家臣団を束ねる。
それがどれほど難しいことなのか、ぼくには検討がつかなかった。戦国大名の大変さはわからないけれど、14歳のぼくが、会社の社長になるってくらいには大変だったのかもしれない。
専務や部長、自分の部下たちはみんな一回りも年齢が上の大ベテラン。
そんな彼らを束ねて会社を経営していけるだろうか、14歳のぼくが…
そんなことを考えているときにも、やっぱり侍さんの説明は止まらない。今のぼくの頭は、一条家の家系図でいっぱいいっぱいなのに、容赦なく新しい情報をぶちこんでくるのが侍さんだ。
「兼定様は、その2年後に妻をもろうて…」
「え?16歳で結婚?ぼくはまだキスも…」
「そんなことはよいから、儂の話を聞け!」
侍さんはぼくの言葉を遮った。
「兼定様がご当主となられてから、儂や、羽生監物ら、家老たちは必死に兼定様を支えた。
伊予の西園寺家を攻め、領土拡大にも熱心じゃったのう。
しかし、奴らが力をつけ始めてから、土佐一条家の勢いは衰えていったのじゃ…」
勢いよく土佐一条家のことを説明していた侍さんだが、`奴ら`と言ったあとに、表情が暗くなった。もちろんぼくは、それについて尋ねる。
「奴らって、誰?」
「長宗我部家じゃよ。」
長宗我部家、全国的にも有名な大名だ。ぼくは堰を切ったように話し始める。
「長宗我部家については、ぼくも詳しいよ!半農半兵の一領具足で、四国を統一したんだよね!戦国時代を舞台にしたゲームでもかっこよく描かれているし、長宗我部は秦の始皇帝の末裔だとか言われてるよ!」
久しぶりかもしれない。こんなに生き生きと言葉を吐き出したことは。
しかしそれほど、ぼくは長宗我部家に興味を持っていたのだ。しかし、侍さんは、ぼくが長宗我部家について話せば話すほど、機嫌が悪くなっているように思えた。
そして、「バカモノ!」と叫び、さらに言葉を続ける。
「勇!お主は奴らの所業を知らんのじゃ!後世のものに都合よく書き換えられた歴史を信じておるだけじゃ!」
「所業ってなんなんだよ?ぼくは長宗我部家のことを悪く思ってはいないのに…」
「なら説明してやろう。簡単に言えば、長宗我部家は、恩知らずなのじゃ。」
「恩知らず?」
ぼくは侍さんに尋ねた。どうやら、長宗我部家と、土佐一条家には並々ならぬ因縁があるらしい。
歴史なんて知ったところで、と言う人もいるかもしれないが、ぼくは歴史を学ぶことは嫌いではなかった。
先人たちが歩んできた道が、今の時代を作っていると思っていたし、それを知ることは今を生きる人の義務だと思っていたからだ。
それと、侍さんの表情も、真剣そのものだった。魂だけの存在で現世に現れているのは、過去の因縁に関係があるのは間違いない。
侍さんも、ぼくの真剣なまなざしに気づいてくれたようで、ゆっくりと語り始めた。
「長宗我部家はかつて、本山氏という土豪に滅ぼされてのう。
その遺児・長宗我部国親を保護したのが、土佐一条家二代目の房家様なのじゃ。
一条家はそれ以後、長宗我部家を支援した。そして、一条家のおかげで長宗我部家は、かつての領土を取り返した。
それなのに国親の息子の元親…
あやつは一条家への恩義を忘れて、儂らに牙を向いてきたのじゃ!」
「牙を向いた?それは痛そうだね。」
「バカモノ。そうじゃない。
長宗我部家は、一条家の領土を侵略してきたのだ。
元親は、一条家のためと表向きは称しておいて、さまざまな謀略の手を使い、一条家を追い詰めて…」
侍さんの説明は、本当に長かった。駐車場の縁石に腰掛けて侍さんの話を聞いていたのだけど、お尻と縁石がくっついてしまいそうだ。
けれども、侍さんの教えてくれる歴史の話はおもしろかった。
織田信長が、豊臣秀吉が、そんな教科書の歴史よりも生々しさがあった。
侍さんは、まだ語り続ける。
「長宗我部家に、次々と領土を侵食されて、兼定様は次第に現実から目を背けるようになった。政治を避けて、和歌や蹴鞠、狩りや酒宴などの娯楽に傾倒していったのじゃ。
儂らは兼定様に対して諫言したが、兼定様は一向に聞き入れてくれんかった。」
「諫言ってなんのこと?」
「`かんげん`とは、いさめること。立場が上のものに、意見を申すということじゃな。」
「つまり侍さんたちは、兼定さんに注意をしたのに聞き入れてくれなかったんだね?
兼定さんって、だめな人なんだねえ。」
ぼくが兼定さんのことを悪く言うと、侍さんは影を落とした表情で兼定さんを弁明した。
「仕方なかったのじゃよ。元親の勢いはそれほどまでに凄まじかった。
日に日に影の薄れゆく一条家の挽回に悩み、自暴自棄になってしまったことを、一概に責めるのは酷というものじゃ。」
侍さんの気持ちはわかる。自分がその立場になってみればわかることかもしれない。
若くして組織のトップに立っても、別の組織の勢いに押されて斜陽になってしまったら、現実が嫌になってしまうのではないか。
ましてや兼定さんは、自分でトップになりたかったわけじゃない。血筋のせいで、責任のある立場に立てねばならなかったんだ。
侍さんは、まだまだ、語り続ける。
「そんな兼定様に、転機が訪れる。
鷹狩りに出た帰りに喉が渇き、立ち寄った百姓の家で茶を所望したのじゃ。
しばらくして百姓の娘がお茶を運んできたのじゃが。
兼定様は、その娘に一目ぼれをした。」
「わかった!その娘の名が…」
「そう。ここまで長い話をしたのは、この部分を話すためなのじゃ。」
「それで、早く教えてよ!娘の名は…?」
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